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◎町おこしの催しに成長 「アドベンチャーフェスティバル」がみなかみ町でスタートして9年目を迎えます。今年も、10月1日、2日に湯檜曽公園をメーン会場として開催することが決定しました。 今でこそ、国内最大規模のアウトドアの祭典と呼ばれ、県外の地方自治体や企業からも視察団が訪れるようなイベントへと成長しつつありますが、当初は周囲の協力や理解を得ることすらままならない状態でした。そもそもこのイベントは、マイナー競技であるアドベンチャーレースを広く世間に知ってもらいたいという単純な目的に端を発しています。今まで興味のなかった人の目にも止まるような「魅せる」アドベンチャーレースを開催しよう、そのためには、たくさんの人が会場に足を運んでくれるようなイベントを企画しようと、仲間と実行委員会を立ち上げたのが10年前です。 現在は常設となったバンジージャンプも、集客手段の一つとしてたった2日間の期間限定で開催をしたのが始まりです。熱気球を会場で上げ、ヘリコプターを飛ばし、人目を引くようなさまざまなアイデアを形にして、第1回フェスティバルが開催されました。 実際には来場者数が思うように伸びず、苦しい運営がしばらく続きましたが、地域の方々の協力支援の輪が拡大するのにあわせて来場者も増え始め、ここ数年は確実に進化を遂げていると実感できるまでになりました。 イベントは「ハッピーとアドベンチャーはなかよしです」というテーマを掲げ、三つのカテゴリーを設定しています。一つ目は「会場アドベンチャー」といって、ステージイベントを中心に無料で参加できる体験コーナーです。夜にはキャンドルの灯が会場を彩ります。二つ目の「お好みアドベンチャー」は、ラフティングやパラグライダー、カヌーといった、みなかみ町で盛んなアウトドアツアーを通常価格のほぼ半額で提供しています。夜空に浮かぶ気球も目玉です。三つ目は「里山アドベンチャー」という初心者でも完走を目指して挑戦できるレース部門です。 参加者の皆さまにとってこのイベントが、気軽なアウトドア体験から本格的なアウトドア体験へ、そして最終的には競技へと、「アドベンチャー(=自分への挑戦)」への一歩を踏み出していただくきっかけになれば何よりです。アドベンチャーレースを愛する仲間数人の思いつきが、アウトドアで町おこしをしようという壮大な趣旨を持つイベントへと転身しました。いずれにしても、アドベンチャーの先に待つハッピーを皆さまに体験していただきたいというテーマは、われわれ実行委員が最初から持ち続ける変わらぬ熱い気持ちです。 (上毛新聞 2011年8月31日掲載) |