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「食で高崎をGENKIにする会」事務局長  平児玉 博樹(高崎市中居町)



【略歴】明和県央高卒。英国生活を経て、飲食店や結婚式場を展開する「ティー プロダクト」の社長。任意団体「食で高崎をGENKIにする会」事務局長も務める。



食事のマナー教育



◎食文化のレベル向上に



 大人のマナーとは難しいものです。多くの人が集う場所、例えば電車やバスの中、タクシーの利用方法などは分かりやすいのではないでしょうか。先日、電車内で50代の男性2人が朝からお酒を飲んでいたのですが、周囲のことなど全く関係ないらしく、缶を落としたり大声で話をしていました。お酒は自由だしある程度は許されるでしょうが、その場面でどうすべきかを理解できていないとこのようなことが起こってしまうのではないでしょうか。

 「最近の若い者は」なんて言う方々もいますが、きちんとしている人は、年齢に関係なくきちんとしているものです。わたし自身も失敗して痛い思いをした経験がありますが、最近よく考えます。大人のマナーとは場面場面に適合した対応をすること、相手を重んじることなのではないかと。

 ある場面でスタッフと食事に行ったとき「これで」とオーダーしたのを見て、「『こちらでお願いします』と伝えた方が良い」とアドバイスをしたことがあります。オーダーする側もされる側もお互いに気持ちよい方がみんな晴れ晴れし、もっと良い対応ができます。それにより、さらに気持ちよくできるからです。そんなことをスタッフ全員が考えてくれたら素晴らしい会社になるだろうと目標を掲げていますが、日々勉強です。

 そんな大人のマナーの中で、食事をする時のマナーはあまり知られていないのが現実です。割り箸の割り方、フォーク・ナイフの使い方や置き方などの作法ももちろんですが、周囲の人々を不快にさせないための基本マナーを習得することも大事です。しかし、どこで誰に教われば良いのか分からないのが問題なのです。

 ある年代からは学生時代にテーブルマナーを経験している人が多いのですが、学生時代に真剣に学んだ人は少数だと思います。そこでわたしは群馬県としてぜひ食事のマナーを教育することを実践してほしいと思います。そのことが教育につながりをもつと考えます。学力・運動力などを考えても食事がとても大事なのですから、まず幼少期に簡単なマナーを教える仕組み、そして最終的には社会人でも学べる場を用意していくことが食文化レベルの向上につながっていくことでしょう。

 何事もそうですが、レベル向上のためにはボトムアップが必要です。多くの人が食事のマナーに興味を持ち、学ぼうとしてくれれば自然と群馬県の食文化レベルも上がります。ぜひ一度考えてみてはいかがでしょう。









(上毛新聞 2011年9月15日掲載)