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太田商工会議所専務理事  松田 賢治(桐生市新里町)



【略歴】旧笠懸村生まれ。桐生高、法政大卒。1967年に太田商工会議所に入所。事務局長、常務理事を経て2005年から現職。地域の中小企業支援に力を注ぐ。


六つのスローガン



◎経営安定と街に活気を



 9月8日に高崎市で第53回群馬県商工会議所議員大会が開催されました。 群馬県には10市に商工会議所があり、2万2千人の商工業者が加入。業種・業態等から選出された会員の代表である議員(約800人―各商工会議所70~100人)が年に1回集まって大会を開き、経済界の要望や発展策について協議し、決議された事項を国・県・市へ要望しています。

 今年は次の六つのスローガンを掲げた大会でした。

1、共にがんばろう私たちは被災地を応援します

2、電力供給力の確保と省エネ・新エネ設備導入を支援しよう

3、産業界が必要とする人材の育成確保と雇用の安定を支援しよう

4、中小企業の経営と金融の安定化を支援しよう

5、街に活気と賑(にぎわい)を取り戻そう

6、群馬がはばたくため七つの交通軸構想を推進しよう

 また、「3月11日に発生した東日本大震災に対する緊急提言」や「中小企業の基盤強化」「買い物弱者を救済するための市街地の活性化対策」「群馬県の特産品の宣伝強化そして風評被害対策」などを重点項目とし、商工会議所として県内経済の発展と活性化のために努力していくことを決議しました。

 現在の経済状況は、歴史的な円高や東日本大震災による電力不足等、このままの状況が続けば企業の海外移転が加速し、中小企業の経営不安や雇用の減少を招くことは必然ではないかと思います。

 円高もそうですが、特に電力不足と電気料金の高騰は企業経営に大きな影響を与えます。ある資料によりますと、日本の電力料金を100とすると、韓国40、台湾33と、日本は圧倒的に高い状況です。例を挙げますと、日本のA業界が昨年1年間に支払った電力料金は3840憶円といわれ、同量の製品を韓国で生産すれば1530憶円、台湾では1260憶円で、この差では競争になりません。

 議員大会の2番目のスローガンに「電力供給力の確保と新エネ設備への支援」とあります。海外企業と対等に競争できる電力料金、電力の安定供給そして新エネ設備の開発が早急に望まれます。

 現在、経済界は非常に厳しい状況下にありますが、県連合会を中心に10商工会議所は議員大会のスローガンや重点事項を着実に実行、要望し、県内経済の活性化と中小企業の経営安定を目指しています。

 キャッチフレーズは「信頼され、支持される商工会議所」。県内商工業者そして県民の皆さま、企業経営・地域の活性化・人材育成(専門的なこと、小中学生や高校生の資格取得)に商工会議所をぜひご活用ください。






(上毛新聞 2011年9月21日掲載)