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イルミネーションデザイン・企画  斉藤 任俊(太田市鶴生田町)



【略歴】渋川市出身。米サンフランシスコ大卒。添乗員の傍ら、イルミネーションをデザイン、企画する。2008年から太田市でのイルミネーションを手掛ける。


イルミネーション効果



◎周辺商業施設も活性化



 冬の恒例イベントの一つとしてすっかり定着しましたイルミネーションイベントは日本各地で行われるようになりました。クリスマスシーズンに合わせて11月中旬ごろから点灯が始まり、寒さが厳しくなる季節、カラフルなライトが澄み切った空気の中で一段と輝きを増し、われわれを楽しませてくれます。

 最近の各地の定番イルミネーションスポットでは、毎年同じ手法を繰り返すのではなく、改良を重ねたり、新しいアイデアを加えたりしながら前年よりも美しく見えるようにさまざまな工夫がされています。凝った演出もそうですが、きれいなイルミネーションであるのは当たり前で、美しさプラスアルファのイルミネーションデザインが求められるように思います。 ただ照明を樹木に巻きつけただけでは目新しさがありません。見る側の方の目も非常に肥えてきて前年以上の演出を期待しますし、同時に省エネ意識が高まった現在ではイルミネーションにも省エネ性が求められます。 イルミネーションが行われる場所は、基本的に多くの人が集まる場所です。そのような場所は昼間もたくさんの人が行き来するため、景観の観点から配線やランプなどの昼間の見え方も重要です。

 単なる光のイベントというだけでなく、周辺の商業施設などの経済効果にも影響します。

 美しく話題性のあるイルミネーションにはたくさんの人が集まります。人が集まると周辺の商業施設なども活性化します。活気のあるイベントにはスポンサーが付いたり、協力者が現れたりして、次のイベントへの設備投資が見込める場合もあります。このようなプラスの連鎖がイルミネーションイベントを支えているのではないかと思います。

 イルミネーションの会場を訪れる人の顔はみな笑顔です。光のイベントによって街や人が活気付いている様子を実感できた時、照明業界に携わるものとして非常にうれしく思います。今後もさらなる省エネで地球に優しく、日本を元気するイルミネーションを提案していきたいと思います。

 太田市の冬の恒例行事の一つとしてすっかり定着した太田市北部運動公園のイルミネーションイベントは11月5日の点灯式から来年1月9日まで開催されます。

 今年のテーマは「大きな太陽」です。訪れた方々が冬の寒さを吹き飛ばし、元気に帰っていただければと思います。ご家族、お友だちをお誘いの上、ぜひお越しください。会場で私のことを見かけましたらお気軽にお声がけください。






(上毛新聞 2011年10月25日掲載)