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川柳さろんGunma世話人  河合 笑久慕(太田市藪塚町)



【略歴】上州時事川柳クラブ事務局長。本名は遠坂孝雄。県川柳人協会委員。川柳研究社幹事。みやま吟社会員。古川柳研究会会員。昨年3月より「川柳さろんGunma」開設。


ジュニア川柳



◎学校教育に織り込んで



 <太陽が君の笑顔と重なった><遊んでる時の時計が早すぎる>。『川柳を楽しむために』(全日本川柳協会編)という小冊子のジュニア編から引きました。ジュニア川柳が特定の川柳大会や専門誌の募集はともかく、メディアで定期的に募集されている例は寡聞(かぶん)にして知りません。

 一方、ジュニア俳句には目を見張らされます。本紙の「上毛ジュニア俳壇」は大きなスペースを占め、1面の「朝の一句」は毎日掲載。子どもたちの目がとらえた生新な世界を楽しませてもらっています。俳句は学校教育でも積極的に活用されているようです。6月15日付本欄の千明政夫さんの「子どもたちに俳句を」では、小学校の国語の単元で俳句が教えられ、作品を先生がまとめて「上毛ジュニア俳壇」に投稿している例が紹介されていました。

 また、上毛新聞社刊『ようこそ俳句の世界へ。』では、この欄の幅広い教科、分野での教育的効果を認めています。学校で俳句指導↓児童生徒の作品を先生がまとめて投稿↓掲載された紙面を俳句指導に活用。こうした教育の場とメディアとの幸福な循環システムが形成されています。同じ17音の文芸でも、俳句と川柳はそれぞれ別個の特性と味わいがあります。教育的効果という面では、両者合わせてバランスのとれた情操の涵養(かんよう)、観察力や探究心の向上が期待できるのではないでしょうか。

 学校や先生方は、川柳についても深い認識をお持ちのことでしょう。ぜひ川柳も学校教育の中に織り込んでいただければ、と思います。また同時に新聞社にもジュニア川柳を採り上げていただくことを切にお願いしたいのです。一昨年、土屋文明記念文学館での「川柳とマンガ」展の際、ジュニア川柳が公募され、盛況でした。こういう機会が一過性のもので終わってしまうのはとても残念です。

 教育の場やメディアで継続的に採り上げていただければ、良質な文化の普及、継承・発展に寄与できるはずです。子どもたちにもっと川柳に触れてほしいのです。川柳は大人たちだけの文芸ではありません。

 終わりに「川柳さろんGunma」について一言。この集いは、川柳に関心のある人の自由参加による談論の場として月1回のペースで開催しています。いわゆる「会」ではなく、役員も置きません。私はいわば設営係。活発な意見交換の中で、楽しみながら何かをつかんでほしいとの思いで運営しています。既に川柳の会に所属の方も他の文芸の方も大歓迎。勉強や研究の成果を披露する機会も提供できます。

 さて、川柳の魅力や課題の一端でもお伝えできたか心もとないのですが、一投句者の素朴な感想もこの稿で終了です。






(上毛新聞 2011年11月2日掲載)