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元・神流町恐竜センター学芸員  佐藤 和久(神流町神ケ原)



【略歴】埼玉県出身。千葉大卒。モンゴルでの化石発掘を機に不動産会社を退職。1999年から2011年3月まで恐竜センターに在籍。03年には、学芸員の資格を取得。


ありのままに行動



◎内なる声に耳を傾ける



 今年4月の異動で恐竜センターを離れ、9月30日付で退職したが、ここ数年、能力開発の一環としていろいろなセミナーに参加していた。

 まず、最初に化石を見つける直感が鋭く、2007年に神流町で恐竜の歯を発見したことから、さらにその能力を今まで以上に楽に発揮できる方法を探したところ、ヘミシンクという技術を見つけた。これを使って、恐竜の見つかる場所を楽にイメージできるようになるか試すために、2年前にセミナーを受けた。

 ところがセミナー中、一緒に参加していた女性が、今横道にずれていると伝えてくれたことをきっかけに、気功などヒーリングに関心を持ち、今までとは違う業種の方と会うことで、自分の本当の役割とは何かを追求するようになり、さまざまなセミナーを受けるようになった。

 そのころ、ユズや「赤じゃが」など、町の特産品の開発や販路について、課内で相談を受けていた。自分なりにいろいろと調べたり、取引先の業者と打ち合わせをしたりしていたのだが、昨夏、原点である農業に興味を持ち、高齢者でも簡単にできる農業がないか探したところ、テラサイエンス農法という、無農薬の農法を見つけた。詳細はここでは省くが、とにかく土壌改良することで、無農薬で元気な野菜ができるという、画期的な農法であるとのことであった。関連する雑誌等を読み、農業以外でも日常生活における心構えや有意な情報を得ることができるようになった。

 セミナーに個人的に参加し、テラサイエンス農法を開発した先生やこの農法を実践している方にうかがったところ、まずはやってみなさいと言われた。

 そこで、今年の4月には、前橋市にある農園にオーナーとして参加し、テラサイエンス農法を実践し始めた。実際にやってみると、農業は肉体的に大変だが、育てている野菜たちは、育てる人を見て成長していることを実感できた。

 例えば、あまり農園に来ない人の野菜は元気がないが、よく来る人の野菜はすごく元気で、野菜の味も全然違う。今は退職して、農園で働くことが多いが、農業をすることで、私たちは生かされていることを実感する。 今思うと、自分のために動いていたら、こんなことは感じられなかったと思う。おかげで今は会うべき人たちとつながり、楽しく過ごすことができている。エゴがなく、ありのままに行動すると、不思議とうまくいくように感じる。

 今回が視点への最後の投稿となるが、皆さんもエゴをなくし内なる声に耳を傾け、実践してみませんか?





(上毛新聞 2011年11月9日掲載)