,

視点 オピニオン21
 ■raijinトップ ■上毛新聞ニュース 
.
「親子でハーモニー」代表  市川 イヅ実(伊勢崎市上諏訪町)



【略歴】伊勢崎市生まれ。関東短大初等教育科卒。伊勢崎市内の慈教幼稚園教諭を経て菊池保険事務所勤務。2008年から「親子でハーモニー」代表。


子育て支援活動



◎気分リフレッシュして



 核家族の一人っ子で育った私には、赤ちゃんはテレビドラマの中のおとなしいイメージしかありませんでした。いざ自分がママになったとき、赤ちゃんの現実は、眠りが浅く、すぐに泣き、とても手のかかる存在でした。笑顔はとてもかわいいわが子です。でも、赤ちゃんの世話にだけ追われ、一日があっと言う間に終わる毎日、近所付き合いがないので主人が帰宅するまで誰とも会話をしない、そんな毎日の積み重ねに疲れ果てていました。幼稚園勤務時は、個性的な子どもがいても、翌日は気持ちを切り替えて対応できました。でも、自分の子どもになると、24時間365日休みなくママでいることが負担に感じるようになりました。赤ちゃんと二人きりで家にいると息が詰まり、このままだと育児鬱うつになっちゃうかも!? と焦り、赤ちゃん連れで遊びに行こう! これが、私の子育て支援デビューのきっかけでした。

 マイペースな長男を連れて、市内の複数の子育て支援センターへ通いました。参加することで、そこの場所の雰囲気が分かり、その中から親子で気兼ねなく楽しめる場所に固定しました。何回か通ううちに、長男はお気に入りのおもちゃで遊ぶようになりました。私は担当の保育士さんに育児相談や愚痴を話せることが、ストレス発散になっていました。子どもは元気が一番! と全てを受け入れてくれたその方の存在は、私たち親子にとってオアシスでした。

 あの当時は、暗闇のトンネルからいつ抜け出せるのだろう、という思いでいっぱいでした。赤ちゃんは幸せを運んでくれるけど、厄介な事も運んできます。0~6歳までの人格形成期に、全てを真正面から受け入れて親子関係を築いていく必要性を学び、自分に余裕のない時にこそ、心にゆとりを持った方のサポートの重要性を、長男の育児を体験して痛感しました。私の体験から親子でハーモニーのスタッフは、子育て中のママのほかに、心強いサポーターとして年輩の方も在籍し活躍しています。

 親子でハーモニーは2010年度、子育て支援の重要性が認められ、伊勢崎市協働事業に選ばれました。月1回親子でリラックスできる交流会の雰囲気を大切にして、手作りおもちゃの提案、幼児科学遊び、親子で楽しめる大型企画などを実施してきました。

 昨年12月からは赤石楽舎で、季節の製作を楽しんでいます。「折り紙でクリスマス飾り製作」では親子で素敵な作品を作りました。今月25日には「フォトフレーム製作」を予定しています。

 群馬県内には、さまざまな子育て支援活動の場所があります。子育てに息が詰まる前に、お近くの活動へ参加してはいかがでしょうか。親子でリフレッシュできて、新たな子どもの発見がきっとあります。






(上毛新聞 2012年2月8日掲載)