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視点 オピニオン21
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NPO法人みんなの未来研究所代表  須永 徹(太田市由良町)



【略歴】元ジャパンビバレッジ環境部長。定年退職後、2009年9月にNPO法人みんなの未来研究所設立。県環境アドバイザー、県地域づくり協議会委員。


「町の先生」に学ぼう



◎地域と学校が手を携え



 環境やものづくり、ライフスタイルに関することなど、学校では教えきれないことについて、それらを専門的に行っている行政や企業、NPOなどを「町の先生」と位置付け、昨年、1回目の「おおた町の先生見本市」を行いました。

 これらの皆さんは地域の財産だとも思っています。こうした方々に日ごろの活動を見せてもらい、遊びながら学ぶことで、子どもたちにさまざまなことへ関心を持ってもらおうというのが目的です。昨年は1200人もの子どもたちや保護者の皆さんに参加いただき、主催者側の予想を大きく上回るにぎわいとなりました。

 今年の第2回はおおた町の先生見本市実行推進協議会として、市や教育委員会、商工会議所、関東学園大学、ものづくり研究機構、太田ユネスコ協会、富士重工業などがメンバーとして参画し、3月11日に太田市立城西小学校で開催されます。出展も45団体と昨年より増え、さらにスケールアップしたイベントになりそうです。

 当日は、子どもたちに焼きそばの焼き方を学んでもらったり、蛇や馬、タカやフクロウと遊んだりしてもらいます。ザスパ草津のサッカー教室もあります。また、企業やNPO団体のものづくりや環境への取り組みをクイズやゲームなども交えて紹介したり、体験をしながら学んでもらいます。 最近は学校と地域、子どもたちと近所の人との接点が塀のようなものに遮られているような気がしてなりません。学校で勉強を教わるのは当たり前ですが、地域も子どもたちを育てていくための関わりをもっと持ち、学校ではなかなか学べない事柄を教えてあげることが必要な気がします。

 「町の先生見本市」は、これらの間にある塀を低くしていくための試みでもあります。学校と地域が手を携えて人づくりをしていくことは、これからますます必要となってくるのではないでしょうか。

 また、当日は子どもたちだけではなく、先生方にもたくさん来ていただき、授業のヒントとなるようなものを持ち帰ってもらえたらと考えていますし、場合によってはそれらの先生たちに出前授業をしてもらうのもいいでしょう。

 「町の先生見本市」は、市内の小学校を会場として毎年1校ずつ二十数年かけて巡回したいと思っています。そして、この見本市が県内各所に拡散していってくれたら、それぞれの地域に眠る人材の有効活用となるばかりでなく、世代を超えた地域のコミュニケーションが生まれ、将来的には全国でも有数の、学校と地域で子どもたちを育てている県になるのではないかと思います。







(上毛新聞 2012年3月6日掲載)