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ザスパ草津U―23担当  蜂須賀 歩(草津町草津)



【略歴】前橋南高、拓殖大卒。都内のイベント会社に勤務後、2007年に草津温泉フットボール クラブ(ザスパ草津)に入社。同年からU―23チームを担当する。


選手たちの生活



◎繁忙期でも厳しい練習



 Jリーグが3月4日に開幕しました。トップチームはアウェーの大分で開幕戦を迎えました。この試合は、一昨年U―23からトップに昇格した杉本選手のアシストにより先制。その後、2度追いつかれながらも2度突き放し、3―2で勝利することができました。U―23からの昇格選手が活躍して勝利に結びつくのはとてもうれしく思います。

 トップチームが大分でリーグ戦を戦っているころ、U―23の選手たちは草津町で体力・技術・精神力を高めるべく、自らと戦っていました。

 今回は選手たちの生活を少し紹介したいと思います。選手たちの一日の流れは、午前7時から11時まで勤務し、各職場などで昼食をとります。その後、午後1時半から同4時まで1部練習をし、午後5時から同9時ごろまで夜の勤務をします(勤務時間は職場によって異なります)。1週間の流れは、月曜日を休日にあて、火~日曜日に活動しています。その中で、水曜日に練習試合を行い、金曜日を午前・午後の2部練習の日としています。日曜日には公式戦(県内の大会やリーグ戦)を戦います。これを基本に、毎月下旬に翌月のスケジュールを作成し、毎週の週間スケジュールで微調整を行います。

 以前も紹介しましたが、選手たちは必ず草津町内の旅館やホテル、飲食店等で働かなくてはいけません。働き先はチームで受け入れをお願いしている職場を紹介します。各選手の特性をみて、各職場の求める人材を考えながら配置を決定します。何度かマッチングを失敗してしまい、職場に迷惑をかけてしまったこともあります。現在は時給制で仕事をしており、選手たちの毎月の収入はバラバラです。その中から、チームは毎月の寮費を徴収し、選手はスパイクなどのサッカー用具やプロテインなどを購入するなど自分自身を高めるために投資します。

 休日にはさまざまな過ごし方をします。買い物に出かけたり、実家が近い選手は帰ってリフレッシュしたり、寮内でゆっくり休んだり。中には、仕事をする選手もいます。全員、草津町内の寮に入り共同生活を送っています。寮内には衛星放送が設置され、Jリーグや海外リーグなど、レベルの高い試合を見ることができます。

 草津町は全国有数の温泉地です。週末はもちろん、夏休みなどの長期休暇になると多くの観光客が訪れ、必然的に選手たちの仕事が忙しくなります。そんな時期でも練習は厳しく行っていますので、この期間の選手たちの体力と精神力は、まさに極限に達します。まずは、春休みとゴールデンウイークを乗り越えることで、またひとつ大きく成長できることでしょう。このような生活を送り、選手たちはトップチームへの昇格をつかみ取るため、日々精進しています。






(上毛新聞 2012年4月1日掲載)