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視点 オピニオン21
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群馬ダイヤモンドペガサス運営企画担当  三木 章次 (甘楽町金井)



【略歴】藤岡高卒。同高野球部外部コーチや社会人野球のオール高崎で選手、監督、副部長を務めた。2008年に群馬ダイヤモンドペガサスの運営会社に入社。


開幕に向けて



◎プレー、行動でお手本に



 4月に入り、待ちに待ったキャンプインを迎えました。チーム内では健大高崎の活躍に刺激されて、次はわれわれの番だと瞳を輝かせています。キャンプでは各自が目標を立てて臨み、どれだけ成長できるかが楽しみでもあります。BCリーグの選手たちは、ただ野球だけをしていれば良いというわけではありません。地域貢献しながら地域と一体になって活動していく、子どもたちのお手本になる行動をする。「BCリーグの理念」を理解しての行動が必要です。選手の行動はたくさんの人に見られていることを意識しなくてはなりません。

 3月28日、メジャーリーグ開幕戦でのイチロー選手のプレーは野球ファンを魅了しました。彼のプレーを見て、子どもたちが野球を始め、プロ野球選手を目指すのでしょう。そして、彼のバッティングや守備をまねするのです。彼のようなプレーは、なかなかまねできませんが、ただ一つ誰でもまねできることがあります。それは、全力疾走です。これは誰でもできますが、一番できていないことだと思っています。ペガサスでも全力疾走を義務付けていますし、そんな基本プレーの徹底が、やがて野球少年の手本になって浸透していくのではと考えています。そして、健大高崎の選手たちは足を武器にセンバツ4強に入ったことは自信となり、今後も群馬の高校野球をリードしていくことでしょう。

 開幕を21日に控え、運営部隊も休む暇なく準備に追われています。昨年までの運営の反省として、ファンのために球団として何をしてきたのかを自分なりに考えてみました。結果として、ファンの目線に立って行動する姿勢が足りなかったと痛感しています。観客の減少に歯止めをかけるためには、ファンとの交流会・地域での野球教室を開催して身近な球団であることをアピールし、初心に戻ってファンサービスを心掛けていきたいと思います。

 先日、私の知人の息子さんが練習試合で初打席に立ったそうです。結果は三振だったそうですが、うれしそうにその時の様子を話してくれました。話を聞き、野球って家族に笑顔を提供するスポーツなんだなと再確認させてもらいました。私も初打席に立った時のことを懐かしく思い出しました。そんな野球少年たちのためにも球場に行くと楽しくて面白いボールパーク創づくりを目指したいと思います。

 ペガサスは今年、NPB2軍チームとの交流戦も数多く行う予定です。選手たちは自分の力が試せる絶好のチャンスでもあります。スカウトが見守る中でのプレーは緊張の連続だと思いますが、ここを抜けられた者だけが秋の朗報を受け取れるのではないでしょうか。そんな期待を持って開幕に臨みたいと思います。








(上毛新聞 2012年4月13日掲載)