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日本花の会 評議委員・花のまちづくりアドバイザー  
                             福田 具可
(中之条町西中之条)



【略歴】法政大経済学部卒。小中学校長、スクールカウンセラーを経て、ぐんまフラワーパークアドバイザーの会会長、ぐんま日本花の会会長、中之条町花の会会長。

子どもたちの花づくり



◎家庭、学校、地域で活動



 前回、子どもの参加する花のまちづくりの教育的効果について述べました。今回は、子どもの具体的な活動の場について紹介します。

 (1)家庭での取り組み

 花のまちづくりの原点は、まず家庭です。親子を中心に家族が一緒になって花壇作りなど花と緑を育む活動を楽しめれば、家族同士ふれあう機会も多く、親子をはじめ家族の絆は強くなるでしょう。

 子どもの誕生や入学・卒業、家族の記念日(結婚、還暦等)に事情が許せば家族みんなで花木の記念植樹ができたらと思います。子どもが大きくなってから、きれいに咲いているツツジを見て「このツツジは○○が生まれた時に、お父さんとお母さんが植えたんだよ」と親子の会話が弾みます。家族で花や緑を育む活動をすれば、子どもに「花や緑」を育む心が育成され、花のまちづくりへの関心・意欲は学校や地域でも発揮されるでしょう。 (2)学校での取り組み

 花を育てる活動は、学校では教育活動の一環として、教育目標に位置づけた活動が期待できます。ほとんどの学校で環境美化や情操教育等のもとに花や緑を育てる活動が行われています。学級の子どもたちが共同で取り組む学級花壇、教職員が取り組んでいる職員花壇などがあります。

 まず、先生方がその気にならないと子どもたちはついてきません。できたら、先生方が全国花のまちづくりコンクールで入賞された学校を視察されるか、担当者から情報を得るなどして参考にされるとよいでしょう。また、子どもたち、PTA、地域の人たちが一体となった取り組みができたらと思います。花のまちづくりに取り組んでいる先進的な学校からは、いじめや不登校、非行等がほとんど見られないといった報告が多くなされています。

 (3)地域での取り組み

 地域での花のまちづくりは、住民の共同の庭であるコミュニティーガーデンを生みました。そこで住民が花見の会を催したり、各種のイベントを工夫して開いています。子どもたちにとっては、社会参加や体験学習のよい機会となっています。子どもたちが花のまちづくりに参加することによって地域がきれいになれば、地域が好きになり郷土愛も育まれることでしょう。花のまちづくりの先進的な地域では「住民の交流が盛んになって地域がひとつにまとまり、他の地域活動もやりやすくなった」「犯罪等がなくなり、安全で住みやすくなった」、さらに「花壇活動に参加する子どもたちはよくあいさつができ、活発になってきた」など、たくさんの報告がなされています。

 家庭で、学校で、地域で子どもの参加する花のまちづくりを願っています。







(上毛新聞 2012年5月9日掲載)