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視点 オピニオン21
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神流町観光インストラクター  細谷 啓三 (伊勢崎市韮塚町)


【略歴】沼田市出身。神奈川県神奈川工業高、京都市立芸術大学校美術学部卒。大洋グループなどでテレビ制作関連の業務に携わり、2009年8月から現職。


子育てボランティア



◎若い母親のケアにも力



 2003年4月、万場町と中里村の合併により誕生した神流町は、群馬県の南西部に位置し、関東一の水質を誇る清流「神流川」と自然豊かな西上州の山々に囲まれた「水」と「緑」に恵まれたまちです。6月1日現在の人口は2367人で、15歳未満の子どもは97人と、人口の5%弱です。うち、未就学児童は約30人を数えます。地域柄、各集落が点在しているため、学校に通っている児童に比べると、友達と気軽に遊んだりする機会は都市部よりも少ないのが現状です。

 このような状況を踏まえ、ボランティアの人々により、未就学児童のための活動がスタートして約1年が経過しています。会の名称は子育てサロン「遊ぼう会」です。スタッフは中里中学校の美術の先生を中心に、神流町在住の主婦の方々や緑のふるさと協力隊のメンバーらが参加し運営しています。

 また、神流町出身の小松崎春代先生(保育歴40年、三多摩地区公立保育所連絡会会長)に、会の運営に積極的に協力していただき、いろいろとアドバイスを受けながら活動を展開してきました。

 小松崎先生の話を紹介します。

 「かわいい声が聞こえてくると、スタッフも心が和んできます。子どもたちは靴をぬぎながら室内を見渡し、遊びを探しているのです。毎回この輝く目に吸い込まれます。6月はお風呂で遊べるように、ペットボトルシャワーになぐり書きでもしてもらおうと準備したのですが、子どもたちの要求はおもちゃや遊具です。それが子どもなんです。大人の思惑には乗りません。さっそく、押し入れに向かい、ままごと道具を引き出してきます。今日はこれで遊ぼうと思っていたのでしょう」

 「乳児期の子どもたちの成長は本当に目を見張ります。体だけでなく感情の育ちも同時進行です。2歳児になるとはずかしいという感情も出てきます。お名前を呼ばれると、隠れたり、しらんぷりしたり、目をそらしたり、それがまたかわいいですね。でも見守られていることは実感し、満足感に浸っているのです。心の成長にも着目し、つきあっていくと、ますます子どもがいとおしくなります」

 子どもたちだけではなく、これからは若いお母さんたちのケアにも力を入れようと、「子育て何でも相談」を積極的に考えています。核家族化の進んだ現在、若いお母さんたちが孤立してしまわないよう、いろいろな相談を受け、アドバイスしていくことを考えています。中山間地域でのこのような活動は大変重要なもので、これからもできる限り活動に参加し見守っていきたいと思います。







(上毛新聞 2012年7月10日掲載)