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ザスパ草津U―23担当  蜂須賀 歩 (草津町草津)


【略歴】前橋南高、拓殖大卒。都内のイベント会社に勤務後、2007年に草津温泉フットボールクラブ(ザスパ草津)に入社。同年からU―23チームを担当する。


チーム発足8年



◎地元の子ども育てたい



 2005年に念願のJリーグ昇格をしてから今年で8年目。草津町を活動の拠点として、新たにアマチュアチームが立ち上がってから、同じく8年がたちました。ここまでの8年間で、毎年約20人の選手が所属し、合計で88人の選手(のべ144人)がチームで活動をしていました。この中に、今年7月現在活動中の19人の選手も含まれます。

 もっとも長く所属した選手で5年間。この選手は、けがも多くサッカーができないつらい期間もありましたが、毎年成長を続けていました。現在も、他チームですがサッカーを続けています。もっとも所属期間が短い選手は、僕が知る限りで2カ月ほど。プロになりたいという他の選手との気持ちの差を感じ、草津の雪の季節を越えることなく、途中退団していきました。

 毎年1~2人がシーズン途中で加入しています。今年は2月にあらためてセレクションをした関係で、合計5人の選手がシーズン途中に加入しています。途中加入は、シーズンオフの期間にけが等で所属チームが決まらなかったり、「より上のレベルでサッカーをしたい」「プロになりたい」という強い気持ちがあり、より目標に近い場所でサッカーをしたいという理由からです。通常ですと、チーム練習に参加してもらい「サッカーの技術」と「草津という環境でやっていけるか」を確認し、加入が決まります。 それと同じように、毎年1~2人の選手がシーズン途中で退団しています。こちらの理由もさまざまですが、家庭の事情だったり、プロになりたいという気持ちが薄れてしまったり。本人からの申し出があった場合、気持ちの切れてしまった選手は他の選手に悪影響を与えるため、引き止めることはしていません。その他に、仕事をしっかりやらなかったという理由で数回警告したにもかかわらず、改善がみられなかったため強制的に退団させた選手もいます。このチームでは、サッカーはもちろん、旅館やホテルでの仕事もしっかりやれる選手でなくてはいけません。

 選手の出身地に目を向けてみると、日本国内では北は北海道から南は沖縄まで、28都道府県から集まっています。さらに、ブラジル・韓国・ロシアといった外国出身選手も所属していました。群馬県出身選手は10人おり、一番多いと思ったのですが、実は2番目でした。一番多かったのは埼玉県からの12人でした。次いで、神奈川県(7人)、東京都・北海道(各6人)、千葉県・静岡県・大阪府(各4人)となっています。草津町出身の選手はまだ出ていないので、アカデミースタッフと協力して、どんどん草津の子どもたちを育てていければと考えています。






(上毛新聞 2012年7月18日掲載)