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視点 オピニオン21
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群馬ダイヤモンドペガサス運営企画担当  三木 章次 (甘楽町金井)


【略歴】藤岡高卒。同高野球部外部コーチや社会人野球のオール高崎で選手、監督、副部長を務めた。2008年に群馬ダイヤモンドペガサスの運営会社に入社。


野球の夏



◎ファンの応援が支えに



 夏は野球好きにとって一年で最も興奮する時であり、一日中、野球に接することのできる季節です。地元の高校の勝敗や選手のプレーを球場やテレビで観戦し、翌日には新聞等で確認し地元のヒーローとして応援するのです。

 高校野球が人気なのは、やはり「一生懸命・全力プレー」が人々の心を打つからではないでしょうか。そして、忘れてはいけないのは、監督・コーチ・父母会・OBの方々の支えがあってこその高校野球であることです。私は母校のコーチを15年間行い、後輩のプレーを見てきましたが、学校と父母会が一体になって戦うのも高校野球の面白いところかもしれません。

 私は、高校時代の恩師である蒲谷良充先生(現高経附監督)に野球の厳しさや面白さを教えてもらいました。当時、練習や試合などで「この一球にかけろ」と言われ続けました。現役時代(社会人野球も含めて)、一球のミスで勝敗が決まる恐ろしさやピンチをチャンスに変える楽しさを味わったように思います。

 今では「今この時を無駄にしない」と理解し、ペガサスでの運営活動を行っていきたいと考えています。

 東京ドームでは都市対抗野球が行われ、本県からは太田市(富士重工業)が出場しました。都市を代表して戦うビッグイベントに球場は満員になり、太田市をあげての応援には圧倒されます。観戦後には感動を覚え、またドームに足を運びたくなるそんな試合の連続でした。

 そして、球場外には、出場都市の観光案内や企業紹介のパネルなどがところ狭しと展示されていました。地域密着を目指すBCリーグでは現在、観客動員に苦しんでいますが、口先だけの行動や地域貢献では誰も振り向いてくれません。地に足をつけて行動しないと駄目でしょう。社会人野球出身の私は、こんな中にもヒントになることがたくさんあるのではないかと考えています。

 5年目のシーズンを迎え、地元に愛される球団を目指し活動しているペガサスは7月初旬、ファンとカレーライスを作って食べる交流会を開催しました。慣れない手つきで野菜を切ったり炒めたり。参加していただいたファンの方々の手ほどきを受けながら完成したカレーは、選手やファンの皆さまにとって特別な味になったことでしょう。現在、チームに在籍する外国人選手もリフレッシュしたのではないでしょうか。

 そして、後期に入って、まずまずのスタートが切れたことは、ファンとの距離が近くなり、一体感が生まれつつあるからではないかと考えています。ファンの方々や地域の応援があっての球団であることを肝に銘じて、これからの試合に臨んでいきます。






(上毛新聞 2012年7月27日掲載)