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高崎経済大教授  久宗 周二 (千葉市緑区)


【略歴】横浜市生まれ。高経大卒、日大大学院生産工学研究科博士前期課程修了、北大大学院博士(水産科学)取得。高経大准教授を経て、2010年4月から現職。


継続的な復興支援



◎被災企業の製品購入も



 昨年3月11日の東日本大震災以降、団体、個人を問わずいろいろな人が、いろいろな形で被災地に対して復興支援を行っています。高崎経済大学のゼミで運営している「たかさき昼市」でも、微力ではありますが、復興のための支援を行っています。

 震災直後の3月17日には「たかさき昼市」で被災地支援のイベントを行いました。当初はイベント自粛の風潮がありましたが、何もしないより、何らかの活動をした方が被災地のために役立つと考え、募金と生産者の協力を得ての野菜チャリティー販売を行ったところ7万円が集まり、被災地へ送ることができました。現在も募金活動を継続しています。

 高崎えびす講で2009年から「八戸前沖鯖(さば)出(だし)汁せんべい汁」のチャリティー販売と八戸の海産物販売をしている青森県八戸市の「俵屋」(沢上弘氏)が仙台港で被災し、キッチンカーなど2台を津波に流されました。

 それを新聞記事で目にしたので、「たかさき昼市」のメンバーである中心市街地の方々や生産者、学生らが色紙に応援メッセージを書き送り、「復興に向けての励みになった」と感謝されました。今年のえびす講にも参加する予定です。

 昨年10月の「たかさき昼市」と同時開催で、高崎中部名店街が街中で落語の公演をしたときには、宮城県の被災企業の社員に被災地の現状と復興についての思いを来場者に語ってもらい、合わせて宮城県石巻市と八戸市の水産会社の製品を販売しました。

 さらに、石巻専修大学の学生と高崎経済大学の学生とで「サバのチャンチャン焼き」の製作、販売を行い好評でした。今年の初めに販売に協力した石巻の水産会社からお礼と、新しく工場を再建する旨の手紙をいただきました。宮城県出身の学生が「たかさき昼市」でくじらの缶詰などを継続して販売しています。

 東北の復興支援で、がれきの撤去など現地でボランティアをすることや募金をすることはとても重要です。同時に、現地の企業が頑張れるように被災企業の製品を適正な価格で買ったり、現地へ旅行に行って消費したりすることも、復興支援につながります。

 私も今年8月、ゼミ生50人を連れて八戸市へ勉強に行く予定です。募金を毎月行うことは難しいのですが、おいしい食べ物ならば、毎月でも継続して買い続けることができます。「たかさき昼市」は8月を除く毎月第3日曜日の午前11時~午後3時まで、高崎市中心街のさやもーる、大手前通りで行っています。おいしいものを味わいながら被災地への継続的な復興支援をやってみてはいかがですか。





(上毛新聞 2012年7月31日掲載)