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視点 オピニオン21
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NPO法人グリーンハート理事長  横堀 充則 (伊勢崎市太田町)


【略歴】伊勢崎市生まれ。明和県央高卒。飲食店経営。2009年、市内の若者の活動拠点としてNPO法人を設立。波志江沼イルミネーション実行委員。


社会貢献とは



◎考え一つで地域変わる



 社会貢献と言うと、皆さんはどのようなことを連想されますか。きっと多くの方がボランティアを思い描くことでしょう。私は社会貢献とは公益活動、つまり社会的な利益につながる活動を指すものだと認識しています。NPO法人はまさしく公益につながる活動を念頭に置いた組織なのです。NPOの歴史はまだ浅く、1995年の阪神大震災からボランティアが活発になり、日本の「NPO元年」と言われています。しかし、まだまだ多種多様なNPO活動を受け入れられるようなNPO法ではないのが現状です。

 「社会貢献」―この一見堅苦しそうな言葉も視点を変えることで、全ての活動に当てはまると思っています。私の親友である、DJ HONDAレコードJAPANのDJ、SHU―G氏はこんな話をしていました。「DJという仕事はまだまだ社会的認知度は低く、公益的な活動とは程遠いかもしれません。しかし、信念を持ち、音楽を通して何かきっかけを与えたい。そうすれば世の中は少しずつ変わっていくと思う」。音楽業界で夢をかなえた成功者が意識を外に向け、社会のことを本気で考えていることに私は感銘しました。音楽だろうが、普段の仕事だろうが、その個人の考え方一つで周囲へ与える影響力は変わっていくものだと思います。

 今日では、CSR(企業の社会的責任)を積極的に取り入れる企業も多く見受けられるようになりました。グローバルワークなこの時代には必要不可欠だと思いますが、活動の実態と実績が何より必要になってくると思います。地元企業が先頭に立って社員と地元住民が顔を合わせ、地域のかかえる課題を共に考え、取り組み、きっかけを与え合う姿勢こそ、今まさに求められていることではないでしょうか。

 私たちの活動はシンプルで、主にお祭り後の清掃ボランティア、ごみ分別などを行っています。ポイ捨ては当たり前のようにされていますし、分別を呼びかければ町は汚れません。私はこの改善策として考えることがあります。極端ではありますが、全ての参加者が容器を持って参加すればごみはゼロになります。買い物も家にある紙袋や普通のバッグを持参することにより、レジ袋消費はゼロになります。社会全体でなくても、各自治体でそのような活動を住民が意識を持って行うことで、世界は変わらなかったとしても、その地域は間違いなく変わり、周囲にきっかけを与えることができるでしょう。

 私はNPO活動の経験も2年足らずで、県内のNPOの皆さんに比べれば、まだまだこれからです。しかし私は大きな名を残す活動よりも、同じ目線で向き合えるような活動を大切にしています。この記事を介し伝えたいのは社会ではなく、今記事を読んでくれているあなたなのです。






(上毛新聞 2012年8月8日掲載)