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日本花の会 評議委員・花のまちづくりアドバイザー
                           福田 具可
(中之条町西中之条)


【略歴】法政大経済学部卒。小中学校長、スクールカウンセラーを経て、ぐんまフラワーパークアドバイザーの会会長、ぐんま日本花の会会長、中之条町花の会会長。


個人の庭、共用の庭



◎地域に広げて花の里へ



 今回は、花と緑の活動として、最近わが国でも見られるようになった、開かれた庭「オープンガーデン」と、みんなの庭「コミュニティーガーデン」について触れます。

 オープンガーデンは、主として個人の庭を一般に公開するものです。イギリスで始まり、諸外国では人気の高いものとして定着しており、日本でも各地で見られるようになっています。

 オープンガーデンを通して、人と人との交流の輪が広がるとともに、自宅の庭から地域が美しくなっていってほしいという願いが込められた活動です。

 私は、「人と花と自然とのふれあい」をテーマに、オープンガーデンを開設しています。花を通して人や自然とのふれあいがあり、自分自身の生活が少しでも豊かになればと思っています。

 花のまちづくりの原点は、自宅の花や緑を育む活動です。さらにそれを公開することで仲間が増え、地域にも花が広がっていくでしょう。

 コミュニティーガーデンは1893年、アメリカのデトロイト市が発祥の地とされています。現在はヨーロッパを中心とする国々に広まっていますが、日本でも各地につくられ、地域の人々の活動が盛んになっています。 コミュニティーガーデンは、地域に住む人たちが庭として共用できる緑地空間をいいます。従って、地域住民みんなの庭です。利用する住民が話し合って計画し、作業にも参加してつくりあげていく庭です。近くにある庭なので、花や緑を育む活動を通して住民の交流も活発になっていきます。 私が住んでいる地域では、15年ほど前から「花の里づくりを進める会」を設けて、道路沿いの空き地を借りてコミュニティーガーデンとして花の植栽を行ってきました。

 花のまちづくりの推進のためには、地域住民が花の植栽を自宅から始めて周辺へと広げていき、地域にある荒れ地などは「共同の庭」として取り組めば地域全体が花の里になるとの思いで続けています。この活動を通して住民の交流は深まっています。

 オープンガーデンでの交流は、主としてオーナーと訪問者との間で行われるものです。最近では、オープンガーデンの仲間の会ができ、仲間同士での交流がよくみられるようになってきています。

 コミュニティーガーデンでの交流は、主としてメンバー間で行われていますが、それぞれのコミュニティーガーデンの人たちとの交流ができたらと願い、やまゆり祭りなどで、ほかのコミュニティーガーデンの仲間との交流も始めています。





(上毛新聞 2012年8月24日掲載)