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群馬ダイヤモンドペガサス運営企画担当  三木 章次 (甘楽町金井)


【略歴】藤岡高卒。同高野球部外部コーチや社会人野球のオール高崎で選手、監督、副部長を務めた。2008年に群馬ダイヤモンドペガサスの運営会社に入社。


愛される球団へ



◎ファンを第一に考える



 夏が終わると、新人戦の季節がやってきます。すでに春の選抜を懸けた秋季県大会がスタートして熱戦が繰り広げられています。ペガサスの試合はナイターで行われることが多いため、昼間は同じ球場で高校野球が行われているケースが多くあります。学校・父母会・OB会が一体となって戦う姿にあらためて共感しています。そして、この大会で「下仁田高・長野原高」の合同チームが参加し話題になりました。結果、1回戦敗退となりましたが、私自身としてはうれしい気持ちになった場面でした。今後こんな形が増えていくのでしょうか。

 18歳以下の世界大会が韓国で行われ、日本は大阪桐蔭の藤波投手や花巻東の大谷投手を擁して参戦しましたが、6位と残念な結果に終わりました。その悔しさをバネに次のステージで頑張ってもらいたいと思います。

 現在、日本ではプロ野球出身者は一定の基準を満たした者以外は、高校生を指導することができません。自分の息子でさえ指導することを許されない現状があるのです。1961年に起きた「柳川事件」を境に、交流が途絶えている現状があります。サッカー界では、Jリーグチームが高校生を指導し、時には試合まで行う組織を作っています。野球界も、そろそろ見直す時期に差し掛かっているのではないでしょうか。

 今月8日、スポンサーであります「山田製作所スペシャルマッチ」が行われ、今期最高の4千人を超えるお客さまに入場いただき球場が湧きかえりました。試合の2カ月前から、お客さまに喜んでもらえる企画を両社で準備し、打ち合わせを繰り返して臨んだ試合でした。試合には敗れましたが、お客さまの笑顔あふれる結果に、喜びとホッとした気持ちで、さわやかな気分になりました。ファンやお客さまを第一に考えた企画や試合日程を組んでいかないと、この事業自体の存在が危うくなってしまうと考えます。

 2012年シーズンも終わりが近づいています。今季のペガサスは開幕ダッシュに成功し波に乗れるかと思いましたが、その後12連敗のリーグ記録をつくる苦しい戦いの中で地区最下位に沈みました。けが人が続出し、苦肉の策での外国人選手の多数起用とチーム編成のもたつき等も重なり、このような結果になったことを反省し来季に生かさなくてはならないと考えます。

 今季は観客動員も伸び悩み、今後の課題を山積みにしたシーズンでもあります。チームを熱心に応援し、毎試合スタンドに足を運んでいただいたファンの方々、チームを支援していただいているスポンサー企業・自治体の皆さまのためにも、今後の球団方針を明確にし、県民に理解され愛される球団を目指してこのオフシーズンを過ごしていきたいと思います。ファンを笑顔にするために。







(上毛新聞 2012年9月17日掲載)