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大間々町商工会青年部長  吉沢 正樹 (みどり市大間々町)


【略歴】桐生工業高、日本大生産工学部卒。大手建設会社を経て、父親が経営する測量器メンテナンス会社に入社、現社長。2011年4月から大間々町商工会青年部長。


大間と大間々



◎マグロが取り持つ友好



 いよいよ念願の「大間のマグロ解体ショー」が大間々で行われることになった。

 われわれ大間々町商工会青年部が、本州最北端に位置する青森県の大間町商工会青年部とお付き合いを始めてから丸2年がたつ。きっかけは「大間のマグロ祭り」に参加したことだ。何よりも町名がそっくりなのでお互い非常に親しみを感じている。「大間のマグロ祭り」を初めて見たときから「いつかあの有名な大間の日本一マグロの解体ショーが地元大間々町でできたらいいな」と願ってきた。

 大間・大間々町商工会青年部の共同企画による「大間のマグロ解体ショー」は、今年史上最高値を更新した大間産の日本一マグロを、大間々産の日本一醤油(しょうゆ)で味わってもらおうというイベントである。また、全国初となる「姉妹都市」ならぬ「姉妹青年部」の調印式も行う運びとなっている。以前、大間町商工会青年部長の舘脇淳氏が「日本一のマグロと日本一の醤油が結婚した」と言っていたことが現実となった。

 マグロ解体ショーは、美しいわたらせ渓谷を舞台に10月27、28の2日間、みどり市大間々町のはねたき広場で行われる「第11回商工会フェスティバルinはねたき」の目玉イベントの一つになっている。

 商工会は例えて言うならば、国内最大級の一つの総合商社のようなものである。その組織は全国の中小零細企業87万4558社が加入しているあらゆる分野のプロ集団だ。北は北海道から南は沖縄まで1718の商工会で構成されている。今回、その組織の協力によってこのイベントが成立するのは言うまでもない。さらに商工会のパワーはそれだけではない。加入しているというだけでお客さまの安心感や信用度が一気に増すことだ。ベテランの商工会員の方々が長年築き上げた実績と信頼があるからで、本当に感謝の念に堪えない。

 ただ、商工会員もいいことばかりではなく共通の悩みもある。それは明日の仕事が保障されていないということだ。いつもたくさんのリスクを抱え、雇用者であるがゆえに雇用保険にも加入できない。つまり、仕事を失っても誰も何も保障してくれないということだ。特にこんな時代は、商売を継続できればましなほうで、利益がわずかでも残れば優良企業だ。そんな中、商工会はいつでもわれわれの味方であり、情報の橋渡しをしてくれる。

 一方、大間町商工会青年部の地元でも「大間のマグロ祭り」の準備が進んでいる。今年は10月20、21日に行われる。大間の漁師の方たちも皆一緒だ。毎日が勝負である。そんな過酷な状況下で捕れたマグロだからこそうまい。青森県は秋の味覚の宝庫である。マグロが旬を迎えるこの時季に、大間々の日本一醤油で、大間の日本一マグロを食べてみませんか。






(上毛新聞 2012年10月10日掲載)