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ザスパ草津U―23担当  蜂須賀 歩 (草津町草津)


【略歴】前橋南高、拓殖大卒。都内のイベント会社に勤務後、2007年に草津温泉フットボールクラブ(ザスパ草津)に入社。同年からU―23チームを担当する。


プロ契約とトップ登録



◎「草津魂」の活躍を期待


 10月も終わりに差し掛かり、トップチームは11月11日にJリーグの最終戦、われわれU―23も11月25日に県リーグの最終戦を迎えます。シーズンが終わると、U―23としては来季に向け、トップ昇格選手を出すべく、ラストスパートに入る時期となります。

 ここで言う「トップ昇格」には、大きく2種類あります。ひとつは「プロ契約」、もう一つは「トップ登録」です。「プロ契約」とは、文字通りプロ選手となり、チームから給料が出てホテルや旅館で働かなくてもよくなります。「トップ登録」とは「Jリーグの公式戦に出場できる登録」となります。これはアマチュアのままでの登録となります。U―23(当時のチーム名称はチャレンジャーズチーム)元年の2005年からここまでの8年間で所属した計89人の選手(のべ145人)のうち、19人がアマチュアチームからトップチームに昇格し、9人が試合出場を果たしました。現在も活躍している選手は4人です。

 歴史をたどると、05年は8人の選手がトップ登録を果たし、6人が試合に出場しました。その中で、現在も活躍する選手は後藤涼選手と桜田和樹選手の2人です。06年は金子恵選手がプロ契約をつかみ取ったものの、試合出場はできませんでした。余談ですが、この年チャレンジャーズチームに所属していた選手(2人)が他チームへ移籍し、チームと共にJリーグへ昇格しプロ契約の夢をつかみ取りました。そのうち1人は今年昇格したチームにおり、現在も主力として活躍しています。

 07年は、継続的に選手を育成していこうというコンセプトのもと、06年から継続して所属していた選手3人がトップ登録されました。そのうちプロ契約を勝ち取った奥山卓廊選手が試合出場を果たしたものの、翌年の契約延長を勝ち取ることはできませんでした。この年は、昇格だけで満足しないという、指導方法の重要性を感じました。08年は、4人の選手がトップ登録されたものの、プロ契約も試合出場もかないませんでした。

 09年は、3人のトップ登録選手のうち2人がプロ契約をし、そのうち有薗真吾選手が試合出場を果たしました。しかし、杉本裕之選手は試合出場がなく、翌年はU―23からの再出発となりました。10年は、その杉本選手が開幕前に実施する宮崎キャンプで認められ再昇格、試合に出場することもできました。11年は、残念ながら昇格選手を出すことができませんでした。そして今年は、現在1人の選手がトップチームの練習に合流し、来季に向けて猛アピールを続けています。

 仕方がないことかと思いますが、トップチームは「草津」を知る選手が少なくなってしまいました。毎年1人でもU―23から選手を送り込み、『草津魂』を持った選手がトップチームを引っ張っていってほしいと思います。





(上毛新聞 2012年10月29日掲載)