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視点 オピニオン21
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群馬ダイヤモンドペガサス運営企画担当  三木 章次 (甘楽町金井)


【略歴】藤岡高卒。同高野球部外部コーチや社会人野球のオール高崎で選手、監督、副部長を務めた。2008年に群馬ダイヤモンドペガサスの運営会社に入社。


来季に向けて



◎成長へ結束して行動を



 野球シーズンも終盤を迎え、熱戦が繰り広げられている中、わがペガサスは来季に向けて秋季練習に励んでいます。そんな中、今季でユニフォームを脱ぐ数人の選手の姿は見えず、寂しい気持ちになります。

 プロの世界は、結果が出ない者に対して厳しい現実が付きつけられます。これは野球以外でも同じだと思いますが、選手育成を目的としたBCリーグの選手たちにとっては、最初の挫折かもしれません。「悔いが残らないように」と言うが、悔いを残さず選手生活を終える者などいるのでしょうか。今年1年を振り返っても「こうすればよかった」などと言うことはたくさんあります。現役を引退してから気が付くことが多いと思いますが、現役時にそれに気が付き、練習できた者が次のステージに上がれるのだと思います。

 10月25日のNPBドラフト会議において、ペガサスから八木健史捕手が福岡ソフトバンクホークス育成1巡目の指名を受けました。彼は入団して3年。地道に努力を重ね、つかんだ結果は、残った選手たちの良い手本になるのではないでしょうか。今季最下位のチームにとって最高の朗報でした。来季プレーする選手の成長は著しく、今年1年の経験を生かし、巻き返しを望むところですが「球団の成長なくしてチームの成長なし」と私は考えます。

 これからは、球団職員・監督・コーチ・選手、そしてファンの方々の意見を聞き、一致団結して知恵を絞り、行動すること。ペガサスは皆さんの球団であることをもう一度考える時期に来ているのではないでしょうか。

 11月に入ると、アメリカ・関東・関西と3会場でBCリーグ合同トライアウトが行われます。来季の戦力補強を占う大切なトライアウトです。補強ポイントを絞り、即戦力・育成する選手を五十嵐監督・コーチ陣が見極め、獲得し新生ペガサスとして来季に臨みます。

 BCリーグは育成リーグです。選手には野球技術だけでなく、社会人としても成長してもらわなくてはなりません。地域に愛され必要とされる選手になってもらう。そして球団が地に足の着いた運営を行いサポートする。簡単ではありませんが、人が育っていない球団には最も必要なことではないでしょうか。

 独立リーグのチャンピオンに新潟アルビレックスBCが輝きました。四国ILに勝利したことはBCリーグがレベルアップしたことの表れです。「BCリーグで野球がしたい。夢を追いかけたい」。そんな若者が増えてきています。今年1年、私自身も責任や役割、そして野球狂であることを再確認しました。私はそんな若者の夢をサポートしていきたいと思っています。






(上毛新聞 2012年11月7日掲載)