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視点 オピニオン21
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NPO法人「生きる塾」理事長  渡辺 謙一郎 (太田市新田早川町)


【略歴】太田市生まれ。樹徳高卒。小学生のころから障害のある人たちと過ごし、福祉への関心を高めた。防災士、日本メンタルヘルス協会認定カウンセラー、辺重社長。


地域づくり活動



◎力を合わせ取り組もう



 福島からSOSが増え、行くことが多くなりました。福島の問題はご存じの除染です。しかし、除染をする予算がなくなりそうな問題があります。他の場所で復興予算を使っている、政治が動かない等。悲しい限りです。しかし、嘆いていても前には進みません。私たちで何かできないか考えてみましょう。

 そこでボランティア活動に目を向けてみるのです。先日、ある公園のリメーク活動で、延べ約千人の方々にお手伝いいただき、雑草だらけの公園に花が咲き、芝が敷かれ、砂場ができ、ベンチは作り直され、人々の憩いの場所となりました。

 もし、この活動にお金がかかっていたら。計算すると約2千万円になります。お金がかかることが悪いと言っているのではありません。ボランティアでここまでできてしまうということです。この牛沢にある公園も11月11日に移動動物園を開催して今年の労をねぎらい、来年からの奉仕活動を考えます。引き継いでいただける地元のリーダーも必要でしょう。みんなでやらないとだめなのです。誰かに頼るのは、自分でもやってみて、それからなのです。

 私は青年会議所にも参加しており、前述の公園作りや、人と人とが心を響き合わせるような活動にも取り組んでいきます。青年会議所は素晴らしい活動をたくさんしています。青年が地域を引っ張っていかなければいけないと強く思っています。ぜひ本当の情報を入れていただき、奉仕活動や仲間づくりに一緒に取り組みましょう。

 来年は両毛地域、北関東地域への取り組みも、違う会で行っていきます。無名な観光地域のワースト3に入る北関東地域。素晴らしい観光地がたくさんあるのにどうしてでしょう。今の時代は行政と民間が協力して地域活性に取り組んでいかなければならないと思います。行政ありき、民間ありきではもう通用しないのです。

 地域(地方)にはとても魅力があります。それは人間味のある「人」がいるということです。先祖代々受け継がれてきた「物」という観光地を、人の知恵でどう盛り上げるか。観光名物も地域らしい思考で新たに作っていく。都市には負けない良さが必ず生まれるでしょう。都市には負けたくない。私たちには私たちの魅力があるのです。

 最後に「NPO法人 生きる塾」での来年の取り組みもご紹介します。アジアの子どもたちの現状を日本の皆さまに伝える事業を担当副理事長を筆頭に行うほか、商店街のごみ拾い、公共施設のトイレ掃除を行っていきます。

 いずれの活動も本当にいい仲間ができます。ぜひ気軽にお問い合わせいただきたいと思います。この仲間たちが地域を救い、日本を救い、世界を救うのです。全ての人の力が必要なのです。






(上毛新聞 2012年11月10日掲載)