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高崎市観音塚考古資料館長  大冢 義樹 (高崎市八千代町)


【略歴】高崎市生まれ。東京理科大卒。高崎市建設部長など歴任。日本建築学会関東支部群馬支所長、ぐんま街・人・建築顕彰会代表、高崎ブルーノ・タウト研究会長。


建築6団体の社会貢献



◎豊かな郷土へ顕彰制度



 私の所属する県内の建築関係6団体はこのたび、協働で「ぐんま街・人・建築顕彰会」を設立し、新しい顕彰制度を始めました。そして、来年3月に行う第1回の「ぐんま街・人・建築大賞」及び「同奨励賞」の発表式典に向けて準備を進めています。

 今の時代は少子高齢化をはじめとする社会構造の変化や情報の高度化・巨大化等による社会情勢の変化という大きなうねりの中で、ものの価値観や社会習慣等の変革期にあります。この顕彰制度は、建築を通して過去から築き上げられた大切な文化や技術の伝承・発展に努力した人や、新たな発明・研究を行った人を顕彰するものです。この取り組みが、私たちの住む群馬がこれからも豊かで、創造性あふれる永続的な発展を続けるための一助になればと考えています。

 さて、この制度をつくるきっかけは、去年にさかのぼります。私の民間時代の先輩で、現在、群馬県建築構造設計事務所協会の会長を務めている小澤幸一さんが私の職場を訪れ、何か建築関係団体で社会に役立つことを行いたいと話したことから始まりました。私も6年ほど前から日本建築学会群馬支所の長を仰せつかり、微力ですが建築界の発展のために努めてきました。こうしたことから考えに共感し、「善は急げ」とばかり、普段から交流のある他の建築関係団体に声をかけ、今年2月、設立準備会にこぎつけた次第です。

 全国でこのように建築6団体が協働で制度をつくることは初めてとの話を後で聞き、驚きと喜びでひとしおです。これも建築関係団体の皆さま方の深いご理解と、この会の事務局を務めている前橋工科大学の稲見成能さんのご協力のおかげと感謝しています。

 事業の仕組みについては半年かけて議論を重ね、会則・設立趣意書等を作成し、7月に事業の開始にこぎつけました。

 顕彰対象は「街づくり・建築に関する発明や開発等による貢献」「優れた街や建築の創出・維持に関する貢献」「街や建築の維持・発展・向上を支援する貢献」の3分野で活躍されている個人または団体とし、自薦、他薦のいずれも可として、現在募集を行っています。応募者の中から最も優れたものを「ぐんま街・人・建築大賞」、今後さらなる活躍が期待されるものを「同奨励賞」として表彰することとしており、賞の決定は、有識者3人と6団体の長から構成された「顕彰者選考委員会」が行います。

 これからも地元群馬県民の素晴らしさを発見・発掘し、広く発信できるように、関係者とともに努力していきたいと思っています。







(上毛新聞 2012年12月28日掲載)