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唐十郎さん死去、アングラの旗手 84歳劇作家、状況劇場

更新日時:2024年5月5日(日) AM 10:44

 アングラ演劇の旗手で小説家としても活躍した劇作家で演出家、俳優の唐十郎(から・じゅうろう、本名大鶴義英=おおつる・よしひで)さんが4日午後9時1分、急性硬膜下血腫のため東京都中野区の病院で死去した。84歳。東京都出身。

 1963年に「シチュエーションの会」を立ち上げ、翌年に劇団「状況劇場」に改名。反新劇を掲げ、特設の「紅テント」による公演を国内外で続け、演劇の可能性を押し広げた。麿赤児さん、根津甚八さん、小林薫さん、佐野史郎さんら多くの俳優を輩出した。

 70年に「少女仮面」で岸田国士戯曲賞。小説家として78年に「海星・河童」で泉鏡花文学賞、83年に「佐川君からの手紙」で芥川賞を受賞した。

 状況劇場を88年に解散後、劇団唐組を結成。代表作に「唐版 風の又三郎」「盲導犬」、長崎県の諫早湾干拓を題材にした「泥人魚」など。

 2012年に自宅前で転倒して頭を打ち、その後は療養生活を送った。21年に文化功労者。

 俳優の大鶴義丹さんは元妻の李麗仙さんとの長男。

 唐十郎さん