昨年のプロ野球日本シリーズ(日本S)でフジテレビの取材証を没収したのは独禁法違反に当たる恐れがあるとして、公正取引委員会が日本野球機構(NPB)を調査していることが30日、関係者への取材で分かった。没収は、フジが日本S中継と同じ時間帯に大谷翔平選手らが出場する米大リーグ・ワールドシリーズ(WS)のダイジェスト番組を放送したのを理由としていた。
NPBと大リーグ機構(MLB)は野球コンテンツに関して競争関係にある。公取委は、取材証の没収がMLBとテレビ局との取引の萎縮につながる可能性があり、独禁法が禁じる「不公正な取引方法」のうち「取引妨害」に当たる恐れがあるとみている。行政指導などの措置を検討しているもようだ。
関係者によると、フジテレビは昨年10月26日夜、日本S初戦が他局で中継された時間帯にWSのダイジェスト番組を放送。WSは日本時間で同日朝から行われ、大谷選手らが所属するドジャースが出場していた。NPBは「信頼関係が著しく毀損された」などとして、フジの取材証を没収した。
球場に掲げられている日本野球機構(NPB)の旗