【仁川共同】小泉進次郎農相は11日、ソウルで韓国の趙顕外相と会談し、日本産水産物の輸入規制の撤廃を求めた。韓国側の反応は明かさず、持ち越しとなったとみられるが、引き続き協議を進める。日韓両政府は韓国の李在明大統領が8月下旬に訪日する方向で調整しており、小泉氏が布石を打った形。首脳外交で結論が出るかどうかが注目される。
小泉氏は記者団の取材に「早期の撤廃に向け、関係省庁間の意思疎通が速やかに進むことを強く期待する」と述べた。農林水産省によると、農相と外相による異例の会談は30分超に及んだ。
韓国は東京電力福島第1原発事故を受け、青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の8県の水産物輸入を停止。別の8都道県にも放射性物質の検査証明書の提出を義務付けている。小泉氏は「日本産食品への信頼は十分回復している」と強調した。
小泉氏はソウル近郊の仁川で日中韓の農相会合にも出席。農業分野での協力を確認した共同声明を採択した。新型コロナ禍を挟んで7年ぶりの開催となり、協力関係の再構築を図った。
韓国の趙顕外相(右)と会談する小泉農相=11日、ソウル(共同)
日中韓農相会合に臨む小泉農相(左)ら=11日、韓国・仁川(共同)
小泉進次郎農相