無限の表情 尽きせぬ魅力 尾瀬国立公園
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 目立つマナー違反 木道下りて写真撮影 単独公園化控え尾瀬警戒
2007/6/15掲載
国の絶滅危惧種に指定されているトガクシショウマ
国の絶滅危惧種に指定されているトガクシショウマ

 八月に日光国立公園から分離し、単独の尾瀬国立公園として生まれ変わる尾瀬で、入山者が木道(歩道)から下りて湿原や自然林内に入るケースが後を絶たない。特別保護地区に自生する多雪地帯の多年草で国の絶滅危き惧ぐII類指定のトガクシショウマ(別名トガクシソウ)がまとまって咲いている場所でも最近、入山者が木道を外れて写真撮影している様子が目撃されている。

 元湯山荘副支配人の丸山明さん(58)は十二日、福島県側の三カ所で計四人の入山者が木道から数メートル外れた自然林内で、ほかの草花を踏み荒らしてトガクシショウマに向かってカメラを構えている入山者を発見した。

 丸山さんは「注意するとすぐに木道に戻ってくれる人もいるが、開き直って居座る悪質なケースもある。人があまり入らない場所ほど、尾瀬の自然が危うくなっている」と、一部のマナー違反の入山者に憤る。

 尾瀬の自然解説を手掛ける片品山岳ガイド協会メンバーも尾瀬ケ原・山ノ鼻地区で、湿原内に三脚を立てて写真撮影している人を見つけたことがある。メンバーの一人は「写真を見れば、木道から下りて撮影したかどうか分かる。ほかの植物を傷めてまで撮った写真がいいとは思わない」と訴えている。

 尾瀬保護財団は「ほとんどの入山者がマナーを守っている」としながらも、常駐するビジターセンター職員などが木道を巡回、マナーの浸透を働き掛けている。