無限の表情 尽きせぬ魅力 尾瀬国立公園
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 「尾瀬国立公園」誕生 環境省「全国に手本」 分離・独立官報に告示
2007/8/31掲載
設置されたばかりの「尾瀬国立公園」の看板を見ながら、尾瀬ケ原に向かうハイカー=鳩待峠
設置されたばかりの「尾瀬国立公園」の看板を見ながら、尾瀬ケ原に向かうハイカー=鳩待峠

 環境省は三十日、日光国立公園から尾瀬地域を分離・独立させ、新たに尾瀬国立公園として指定することを官報に告示、尾瀬国立公園が誕生した。同省は片品村戸倉の鳩待峠で同日午後、「尾瀬国立公園」の標識の除幕式を行い、地元自治体や東京電力など関係者が新公園の誕生を祝った。

 式典では同省の桜井康好自然環境局長が「尾瀬は世界に誇るべき国立公園になる。環境省も今後、管理・運営の方法を再構築し、全国に手本を示したい」とあいさつ。大勢のハイカーや報道陣が見守る中、関係者が除幕すると、大きな拍手がわき上がった。

 この日、尾瀬保護財団は同村戸倉の山ノ鼻で評議員会を開き、小寺弘之前知事の理事退任に伴う理事選考で、大沢正明知事を選任した。小寺前知事が務めていた財団理事長は三十一日の理事会で互選する。

 三十一日は山ノ鼻で、理事会に続き、尾瀬サミット2007と尾瀬国立公園記念イベント「おめでとう尾瀬!」などを開く。また記念事業実行委員会が公募した尾瀬の統一ロゴマーク千五百三十五作品から最優秀賞を決める。

◎認定ガイド導入へ 活動開始09年度目標 質向上、啓発役も担う 尾瀬保護財団

 尾瀬保護財団は三十日の財団評議員会で、二〇〇九年度から尾瀬地域に認定ガイド制度を導入する方針を明らかにした。ガイドの質を高めるとともに、ハイカーに対して自然保護に責任を持つ「エコツーリズム」の考え方を浸透させる。九月に認定方法やガイド内容などを検討する研究会を発足させ、〇八年度後半に研修と認定試験を実施。〇九年度から実際にガイドが活躍する仕組みづくりを目指す。ガイドの質向上は以前から自然保護団体などが要望していた。

 同日の評議員会で、「エコツーリズムをどう推進させるか」などと評議員から質問が出たのに対して、財団の遠藤一誠事務局長がガイド制度の考え方と導入までのスケジュールを示した。

 研究会はガイド、自然保護団体、観光、行政などの関係者で構成する。尾瀬を楽しく散策する技術、尾瀬固有の動植物や成り立ち、自然保護運動や植生復元の歴史、けがの応急手当ての知識などを総合的に身に付ける制度を目指す。

 財団によると、八月現在、尾瀬で活躍しているガイドは十四団体二百七十人。それぞれ独自の知識でガイドするため内容にばらつきがあるほか、利用者にとってガイドを選ぶ選択の目安がないという指摘があった。

 財団は「ガイドの個性は大事だが、けが人などの救急処置や、自然保護の精神をハイカーに伝える役目を共通して持ってもらいたい」と制度の目的を説明している。

 ガイド制度については、今年三月の財団理事会で基本的な方針が確認され、事務局が具体的な導入方法などを検討していた。

◎新たな門出に期待感 片品村

 片品村の千明金造村長は三十日午前七時半、村内の防災無線で「尾瀬国立公園」が全国二十九番目の国立公園として誕生したことを村民に知らせるとともに、同日を「片品村尾瀬の日」と制定したことを宣言。「村の宝である尾瀬を守り、後世に伝え、村の発展に努めたい」と語った。この後、尾瀬を全国に知らしめるきっかけとなった「夏の思い出」を流した。

 午前十時には、村役場職員らが見守る中、役場庁舎に「祝尾瀬国立公園誕生」の垂れ幕が掲揚され、尾瀬の新しい門出を祝った。また、横断幕やニッコウキスゲをイメージしたのぼり旗を沿道に掲げたり、公用車に誕生を知らせるステッカーを張り出すなどして、祝賀ムードを盛り上げた。