無限の表情 尽きせぬ魅力 尾瀬国立公園
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 《発信クラスの声》 マナーの大切さ浸透 自然「守られている」大半 尾瀬 片品小6年1組
2007/10/17掲載
尾瀬 片品小6年1組
 本県と新潟県、福島県にまたがる尾瀬。今年八月、日光国立公園から分離・独立し「尾瀬国立公園」として新たなスタートを切った注目スポットだ。自然の宝庫でもある尾瀬を、地元の子供たちはどう見ているのだろうか。片品村立片品小学校の六年一組三十三人(男十九人、女十四人)に答えてもらった。

 尾瀬の“おひざ元”にある同校。まず、何回くらい尾瀬に行ったことがあるかを聞いた(Q1)。
 一番多かったのは五回(十九人)で、以下六回(六人)、七回(三人)、四回(二人)と続いた。十回以上は二人おり、最高は十四回だった。担任の飯塚孝也教諭は「総合学習に『尾瀬学習』を取り入れており、五年生は三回、六年生は二回、尾瀬に行く。『五回』が多いのはそのため」と説明する。
 次に、実際に尾瀬を歩いて気づいたことや思ったことを自由に答えてもらった(Q2、複数回答)。
 目立ったのは、自然の美しさや豊かさをとらえた感想。「自然がきれい」が十六人、「見たことのない植物を見ることができる」が十三人。「尾瀬のような場所が、自分の住む村にあってうれしい」との声もあった。一方で「湿原の中に荒廃している所がある」(六人)、「植生回復作業をしている・作業が大変そう」(四人)との回答もあり、一度失われた自然を元に戻す作業の難しさにも気づいたことがうかがえた。
今月3日に訪れたアヤメ平で、ガイドの説明を聞く子供たち
 Q3では、尾瀬の豊かで美しい自然は、きちんと「守られている」のか「守られていない」のかを尋ねた。
 結果は「守られている」が三十一人、「分からない」が二人。「守られていない」はゼロだった。守られている理由は「ごみを持ち帰っている」(十四人)、「木道が整備されている」(同)、「植生回復作業が行われている」(十人)などが目立った。「分からない」理由は「植物を踏み付ける人がいた」「回復作業をしていても元に戻っていない場所がある」だった。
 飯塚教諭は「植物を踏み付けて、ガイドに注意されるハイカーもいた。そういう現実を目撃したことが『分からない』という答えになったのかもしれない」と指摘する。
 最後にQ4では尾瀬の自然を守るために必要なことを考えてもらった(複数回答)。
 「ごみの持ち帰り・ごみを捨てない」(二十二人)、「木道を歩く・湿原に入らない」(二十一人)など、マナーを守ることの大切さを挙げる児童が多かった。「他の植物のタネを持ち込まない」という尾瀬の植生の特殊性を踏まえた意見や「ルール違反の人から罰金を取る」という厳しい声もあった。

 【学校データ】片品村立片品小学校 所在地 片品村鎌田 校長 小林兵衛さん 児童数 198人 創立 1893年2月