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 尾瀬のクマ目撃「減少」 講座で保護財団研究員生息状況や生態解説 みなかみ
2007/12/04掲載
尾瀬のツキノワグマの生態について解説する
橋本さん
 野生のクマの生態について理解を深めてもらおうと、みなかみ町下津の奥利根自然センター(内海広重所長)は二日、同センターに尾瀬で三年前からツキノワグマの生態を調査している尾瀬保護財団研究員の橋本幸彦さん(38)を講師に招き、公開講座「尾瀬のツキノワグマの生態」を開催した。講座には、町内外から大勢の人が訪れ、真剣な面持ちで聴き入った。

 講座は、同センターが毎年実施している「自然生態に関する公開講座」の一環。講座で橋本さんは、(1)ツキノワグマってどんな動物?(2)尾瀬のクマ対策・生態調査と保護管理(3)今年の尾瀬のクマ―をテーマに解説した。
 尾瀬では、一九九九年と二〇〇四年に木道でハイカーがクマに襲われる事故が発生し、これを受けて尾瀬関係者による対策連絡会議が発足。橋本さんらを中心に、クマに電波発信機を付けた生息状況の調査や巡視、ハイカーに注意を呼び掛ける看板の設置、クマが人に近づいたときはごう音玉を鳴らして追い払うなど、事故防止に向けた取り組みが実施されている。
 橋本さんは、こうした経験を踏まえ、スライドを使って尾瀬での出没状況や調査内容を紹介。クマの生活パターンや食物について解説した。
 尾瀬のクマはその年によって行動範囲が異なることや、人を認識したクマは基本的に逃げていくことなど、調査で分かったことを紹介。尾瀬での今年の目撃情報は九十六件で、昨年度の百五十九件から大きく減少、今年は人が襲われる被害も無かったことにも触れた。
 受講者からは「春先にはミズバショウも食べるのか」「大昔の本州にはヒグマもいたのか」などの質問のほか、「クマが木道に近づいた場合に、ハイカーに注意する人員を設けるべきではないか」などの意見もあった。