無限の表情 尽きせぬ魅力 尾瀬国立公園
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2008/02/24掲載

 「ごみ持ち帰り運動」発祥の地である尾瀬国立公園で、来シーズンから携帯トイレの持ち帰り運動が始まる。高山植物の宝庫で、登山道にトイレがない至仏山(二、二二八メートル)の入山者を対象に、同山保全対策会議(座長・加藤峰夫横浜国大大学院教授)が旅行業者や雑誌などを通じてアピールする。

 携帯トイレは北海道の利尻山や大雪山などいくつかの山で利用を呼び掛けているが、回収ポストの設置を伴うケースが多い。二十一世紀の国立公園のモデルケースを目指す尾瀬で「持ち帰り」が定着すれば、他の山や国立公園などの管理に一石を投じそうだ。
 至仏山では森林限界のオヤマ沢田代周辺などを中心にふん尿による植生や水質への被害が深刻化している。気温が低く微生物の働きも弱いため、携帯トイレの活用促進を求める声が広がっていた。
 尾瀬保護財団は昨年十二月、東京、大阪、福岡の三カ所で旅行業者と雑誌社の計七十二社を対象に尾瀬ガイダンスを開催。至仏山の入山者に携帯トイレの利用、持ち帰りを呼び掛ける方針を説明、協力を求めた。
 当初は山ノ鼻と鳩待峠の回収ポスト設置も検討したが、「ごみでマナーが定着している」として、自宅まで持ち帰ってもらう方法に決まった。
 チラシでは「ごみ持ち帰り運動の一環」を強調しながらも、「万が一に備えて携帯トイレの携行を勧める」とソフトに表現、ハイカーの自主性に頼った。
 至仏山は蛇紋岩に覆われ、オゼソウやホソバヒナウスユキソウなど貴重な高山植物が生息する尾瀬国立公園内屈指の人気スポット。特別保護地区に指定されており、必需施設のトイレでも建築物の新設には反対意見が多い。