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 BDFバス運行へ 来月にも尾瀬 県と2社が協力
2008/07/26掲載

 利根沼田県民局地球温暖化対策地域協議会(座長・渡知多美局長)は、尾瀬入山口の鳩待峠と片品村戸倉区中心部の駐車場間(約十一キロ)で小型バスを運行する業者二社と協力して、廃食用油を精製してできるバイオディーゼル燃料(BDF)を活用した試験運行に八月中にも着手する。
 BDFは原料の廃食用油の回収量が少なく供給量に制限があるため、二十八日に運行業者と燃料精製団体の代表らで話し合い、可能な供給量や運行規模などを調整する。同県民局は「自然保護の象徴でもある尾瀬での活用で廃食用油の回収意識の拡大につながれば」と期待している。
 鳩待峠入山口は尾瀬国立公園で最も利用者が多いため、自然保護や交通渋滞の抑止を目的に一定の期間、マイカー規制が実施されており、同区中心部の駐車場付近から運行業者七社が代替運行している。今回、BDFを使用するのはこのうち片品観光タクシーと関越交通で、それぞれ小型バス一台に導入する計画。
 尾瀬での環境負荷軽減策として二社は五、六年前からBDFの活用を検討してきたが、これまで運行に必要な供給量の確保にめどが立たなかった。供給されるBDFは軽油と比べて割安な価格が設定される見込みで、両社は供給量さえ満たされればバスの台数を増やすなど本格的な導入を進める。
 BDFは、廃食用油の再利用だけでなく、軽油と比べて黒煙や硫黄酸化物が軽減されたり、二酸化炭素の排出を抑制する効果がある。同県民局はBDFの利用方法や可能性を探るため、廃食用油の回収に取り組むボランティア団体やBDFを精製するNPO団体、管内の自治体間の橋渡し役を担っている。