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 「名水」認定で水くみ場 鎌田の住民有志 観光名所化に期待 尾瀬の郷片品湧水群
2008/10/30掲載
完成した「花の谷湧水」で水をくむ来園者たち
完成した「花の谷湧水」で水をくむ来園者たち

 村内全体のわき水が今年六月、「尾瀬の郷片品湧水(ゆうすい)群」として環境省の「平成の名水百選」に認定された片品村で、同村鎌田の住民有志らが、地域のわき水の魅力を多くの人に知ってもらおうと、地元の花の谷公園に、約五百メートル離れた山腹にわく岩清水を引き込んだ水くみ場「花の谷湧水」を造った。二十九日は村関係者も出席して通水式と村への贈呈式が行われた。
 岩清水は、簡易水道が普及する前の三十年ほど前まで、地元では一般家庭の飲料水として利用されていた。村内では名水への認定を機に、豊富なわき水を、観光資源として活用しようという機運が高まっており、各地区できれいな水を利用していこうという動きが見られる。
 完成した水くみ場は、高さ約三メートル、奥行き約三メートル、幅約二メートルの大きさ。自然豊かな森の恵みをイメージし、三つまたに分かれたケヤキの古木の幹から水が流れ出る構造で、水受けで一度ためた後、パイプを通して流れ落ちる形。
 村から同公園の管理を委託されている星野玉吉さん(71)=同村鎌田=と林業、星野久樹さん(66)=同村御座入=、建築士、桑原行男さん(60)=沼田市利根町=が材料を準備し、設計や組み立てまですべてをボランティアで行った。
 通水式では、千明金造村長が「観光振興に役立てられるよう、大切に管理して生かしたい」とあいさつ。テープカットとともに水が流れ落ちると、大きな拍手で包まれた。
 水くみ場は、寒さの厳しい冬場の十二月から四月下旬までは、安全や凍結防止のため閉鎖されるが、関係者は「村の魅力アップに役立てば」と話している。