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 《尾瀬に輝く パークボランティアの1年(4)》 生態把握 シカの寝床を発見
2008/12/28掲載
茂みの中に現れた「シカの寝床」
茂みの中に現れた「シカの寝床」

 尾瀬では一九九〇年ごろからシカの食害が確認されている。環境省がモニタリング調査を続けているが、シーズン中の現場の環境省職員はわずか四人。広い尾瀬での調査にパークボランティアは欠かせない存在だ。
 まだ雪が尾瀬を覆う五月上旬から、足跡やふんなどのこん跡を探す。シカの行動を把握するために林内に設置した自動撮影カメラのメンテナンス作業も定期的に行っている。夏から秋にかけては、カメラの設置場所までトゲのあるハリブキなどが自生する茂みをかき分けて進まなければならない。
 「これがシカの寝床だよ。草をどかしてあるだろう」。十月上旬の林内の調査活動中、今年からボランティアに加わった植松勲さん(63)=高崎市=が見つけた。植松さんは猟師歴四十三年のシカ追いのベテラン。草木の茂みの中にぽっかりと黒い地面がむき出しになり、周囲には足跡やふんが見つかった。
 「寝床」は直径約一・五メートル。植松さんは「シカは周りを見渡せる小高い場所に寝床を作ってこっちの様子を観察している。シカは頭がいいんだよ」。メンバーがシカの生態の一端に触れた。