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 椎坂バイパス沼田着工へ 3年で46億円県が提案方針 尾瀬などへ時間短縮
2009/05/20掲載

 県は、沼田市の国道120号椎坂峠の急カーブを解消する「椎坂バイパス」工事に年度内に着手する。二度のルート変更で大幅に遅れていた計画が固まったため。県議会五月定例会で、四十六億円を限度に来年度から三年間の工事費を確保する債務負担行為の承認を求め、事業推進の環境を整える。二〇一四年度の完成を目指す。完成後は積雪時の峠越えが現在の二十五分から七分に短縮される。バイパスは尾瀬を含む片品方面のアクセス道だけに、本県観光振興への貢献が期待される。
 県道路整備課によると、同バイパスは沼田市利根町大原―同市白沢町生枝間を二つのトンネルでほぼ直線に結ぶ。延長約四・三キロで総事業費は九十六億円。
 本年度着工するのは西側の二号トンネル一・七キロ。用地取得の進み具合にもよるが、入札を経て十月ごろに業者と仮契約を結び、十二月に県議会の承認を得た上で着工する。東側の一号トンネル〇・五六キロも来年度の着工を目指している。
 国道120号は関越道沼田インターチェンジ(IC)と尾瀬・日光方面を結ぶ観光ルート。だが、途中の椎坂峠は急こう配の急カーブが続き、特に冬は積雪や凍結の恐れがある難所で改善の要望が強かった。
 バイパス化によって沼田ICから尾瀬やスキー場、温泉へのアクセス改善など観光面のプラス効果に加え、片品村から沼田市への救急搬送の迅速化が期待される。
 同バイパスは二十年以上前に計画が持ち上がり、一九九七年度に事業着手したが、コスト削減や地元要望を受けてルートを見直すなど計画が遅れていた。昨年度に現在の国道120号を一部活用する最終ルートの設計が固まり、現在は用地買収を進めている。
 片品村の千明金造村長は「バイパスの完成は観光産業にとって計り知れないメリットがある。一日も早く開通してほしい」と期待。国道120号線整備改良促進期成同盟会長を務める星野已喜雄沼田市長も「沿線市町村の長年の懸案だった。大きく前進することを関係機関に感謝したい」と歓迎している。