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 地域で参加率に差 利根沼田6割 館林邑楽1割 宿泊補助求める声も 小中学校対象の「尾瀬学校」
2009/07/05掲載

 地元にある貴重な自然に触れることで環境について考える切っ掛けにしてもらおうと県が県内小中学校を対象に実施する尾瀬学校が昨年度から始まった。参加した子供の88%が「新発見や感動があった」と答えるなど好評で、本年度の参加は昨年より2割増が見込まれる。しかし、地域別の参加率を見ると、59・1%から12・2%まで大きな開きがある。特に尾瀬から遠い館林邑楽地区からの参加が少なく「日帰りだと尾瀬にいられる時間が短い。泊まりで行けるよう宿泊費補助などがほしい」といった声も上がっている。

 尾瀬学校は県内の子供全員が義務教育の間に最低1度は尾瀬の自然に触れてもらおうと実施している。県はバスやガイドの費用を全額補助。尾瀬では1班8人を基本に、鳩待峠から尾瀬ケ原まで数時間かけて歩くのが一般的になっている。
 昨年度参加した小中学生へのアンケートでは自然環境や環境問題に「興味を持った」が64%、「また尾瀬に行きたい」が63%を占めるなど好評だった。本年は136校の1万450人が参加予定で、昨年の108校8145人から参加校数、人数とも2割以上伸びる見込みだ。
 しかし、地区別の参加率には大きな開きがある。小中学校44校中26校が参加する利根沼田地区や31校中14校が参加する富岡甘楽地区のように積極的な地区がある一方、「すでに学校行事が多くあり、新しいイベントを入れるのは難しい」などと参加しない学校が多い地区もある。高崎安中地区では127校中、参加は17校にとどまる。
 最も参加率の低い館林邑楽地区では41校中、参加は5校のみ。館林市のある中学校は、尾瀬に行くには往復6時間以上掛かると指摘。「鳩待峠から尾瀬ケ原まで歩く時間を考えると、尾瀬を体感できる時間は非常に短い。その時間のために長い移動時間を掛けるのはどうなのか」と話す。宿泊費の補助があれば、泊まりがけの体験など選択肢も広がるという。
 県では遠方の学校には1泊2日を想定して2日分のバス代を支給する規定を設けているが、利用実態がないのが実情。尾瀬学校を所管する尾瀬保全推進室は「始まったばかりの事業なので試行錯誤で進めている。より多くの学校が参加できるようできるかぎり改善したい」としている。