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 専門委設立で調査 21日に立ち上げ 環境データを収集 尾瀬・至仏山のルート見直し
2009/07/16掲載
植生荒廃などで、登山道の見直しが検討されている至仏山
植生荒廃などで、登山道の見直しが検討されている至仏山

 尾瀬国立公園の至仏山(2228メートル)で、登山道周辺の植生荒廃や裸地化が進んでいる問題で、登山ルートの見直しを議論している至仏山保全対策会議(事務局・尾瀬保護財団)は、自然環境を踏まえたより客観的な議論を進めるため、自然科学や工学などに詳しい人材でつくる「至仏山環境調査専門委員会」を立ち上げることに合意した。21日に都内で設立総会を開き、事業内容や役員を決める方針。
 対策会議は、登山ルートの見直し検討を盛り込んだ保全基本計画を2007年3月に策定。「東面登山道」の一部、「小至仏山南面」「オヤマ沢田代」の3区間のルートについて、尾根やハイマツ樹林帯への迂回(うかい)案など、植生保護や入山者の安全を踏まえた議論を続けている。
 しかし、現場は2千メートル前後の高山地域で自然環境が過酷なため、地形や植物分布などの基礎データを集めて影響を分析するには時間がかかる。さらに、たとえ迂回ルートが決まったとしても、必要な資金や人員の確保など課題が多い。このため専門委員会は、見直し案のメリット、デメリットを含め、客観的で詳細なデータを収集することで、今後の議論を効率的に行うことなどを目的に設立する。
 専門委員会は環境省、群馬県、土地を所有する東京電力、大学教授らの学識経験者で構成。環境への影響や想定事業費、必要な人員などについて調査、データを整理し、対策会議に報告する。早ければ8月中にも現地調査を行うが、詳しい調査には数年間かかる見通し。
 対策会議は、こうした取り組みをより多くの人たちに知ってもらうため、本年度中にシンポジウムを開催する方針。