無限の表情 尽きせぬ魅力 尾瀬国立公園
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 尾瀬支出「最小限に」 経営合理化で見直し 東電
2011/05/21掲載

 東京電力は20日、原発事故の補償金や電力の安定供給施策の財源を捻出するための、資産売却や支出削減を柱とした経営合理化方針を発表した。「あらゆる費用を徹底的に抑制」すると表明。東電群馬支店は上毛新聞社の取材に、尾瀬の管理・保護のための支出も最小限にする方向で見直していることを明らかにした。組織の見直しでは「電気以外の事業を大幅に縮小」と明記。尾瀬で山小屋の運営や木道の整備などを行っている子会社の尾瀬林業が対象となる可能性がある。

 東電は尾瀬国立公園の4割、湿原や沼がある特別保護地区の7割を所有。木道の整備や浄化槽を完備した公衆トイレ、荒廃した湿原の回復などに、年間約2億円を支出している。
 しかし、今後の尾瀬にかかわる支出について、東電支店は取材に「当社を取り巻く状況を踏まえ、必要最小限に見直している」と説明するとともに、「例年と同様の管理は困難」との認識を示した。入山者の安全確保のため、木道の巡視、点検は継続し、不具合箇所の補修は行うという。
 尾瀬の保護・管理は、東電が中心的な役割を果たしてきただけに、管理の水準をどう維持するかが、国、県の喫緊の課題となる。
 尾瀬林業がリストラの対象となるかは現在のところ白紙だが、仮に清算や事業縮小となった場合、さまざまな影響が予想される。運営する山小屋は避難所でもあるほか、従業員は登山者に対する案内や啓発役も担うなど、保護・管理上のさまざまなノウハウを蓄積しているため。
 県は「尾瀬を守るには、長年、維持管理をしてきたことで蓄積した知識と経験が必要」(尾瀬保全推進室)として、尾瀬林業の存続を求めていく構え。