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 低公害車で入山者輸送 大清水〜一ノ瀬間 15年度にも実用化 尾瀬サミット
2013/09/04掲載
侵入防止のネットを張る山小屋関係者ら
「大清水〜一ノ瀬間」を送迎する低公害車両=7月13日

 尾瀬国立公園の関係者が一堂に会して課題を話し合う「尾瀬サミット」(尾瀬保護財団主催)が3日、新潟県魚沼市で開かれた。大沢正明知事は、鳩待峠に集中する入山口の利用分散化を促すため、「大清水〜一ノ瀬間」(3・2キロ)で低公害車による入山者輸送を2015年度にも実用化する考えを明らかにした。民間事業者の選定など地元や関係機関との調整を急ぐ。大清水口では2割前後の利用増を図れる見通し。
 尾瀬の入山者数は12年度32万4900人。このうちの60%に当たる19万5千人が鳩待峠口から入山したのに対し、大清水口は1万8千人(5・5%)、福島県側の沼山峠口が6万1千人(18・8%)だった。
 植生保護の観点から鳩待峠口への一極集中を分散しようと、県は11年からことし7月まで、大清水〜一ノ瀬間で低公害車による乗り合いタクシーやバスを運行する社会実験を実施した。この結果、1日の平均利用者数は11年度103人、12年度136人、13年度440人と年々増加。本年度の利用者アンケートでは、乗り合いタクシーやバスが実用化された場合に「利用したい」との回答は95%に上った。
 こうした結果を踏まえ、大沢知事は「社会実験を3年も続け、(実用化への)期待も大きい。できるだけ早期に実用化したい」と述べ、2年後までの実用化に意欲を見せた。
 財団によると、実用化されれば、大清水口の入山者は4千人前後増える見通し。鳩待峠口から入山して大清水口で下山する場合、平均的なコースタイムは現在の7時間から1時間ほど短縮されるため、回遊ルートとしての利用増も期待できるという。今後、歩行者の安全対策を講じるほか、料金や使用車両などを詰める。
 サミットには大沢知事をはじめ、新潟県の泉田裕彦知事、福島県の佐藤雄平知事ら関係者約100人が出席。入山口の利用分散化のほか、野生動物による食害対策、外来植物対策、環境教育の促進などをテーマに議論した。