トピックス一覧へ戻る->>

◆「群馬」登録は4件◆

 全庁態勢で県が対応策 輸出、観光で支障懸念
 中国の商標に日本地名 
上毛新聞 ■掲載日 2008/6/19
日本の地名が中国などで商標登録されている問題で、「群馬」が中国ですでに四件登録され、一件が登録出願中であることが県の調べで分かった。出願者は中国の法人と個人とみられる。トラブルの報告はないが、県は、こうした動きが広がれば中国での商品販売で「群馬」の名称を使えず、県産品の輸出や観光誘致に支障が出る恐れがあると判断。近く全庁的な対策組織を立ち上げ、登録取り消しや、県が自ら登録出願するなどの善後策を検討する。
 
商標登録・申請されているのは「群馬」が三件、「群●」が二件。ほかに登録後、有効期間が切れたものが二件あった。権利の開始時期は一九九九年から二〇〇四年。
 「各種用の機械器具」「被服・履物」「家具・プラスチック製品」「ビールを除くアルコール飲料」の区分で登録されていることは分かったが、出願意図や具体的な商品は不明。
 国際特許に詳しい中村希望弁理士(前橋市)によると、日本では地名でも、中国で別の意味の単語や造語の場合があり、登録が悪意であるかどうかの判断は難しい。登録済みの区分では「群馬」の名称が使えず、例えば「群馬○○」などの表記ができない。現状のまま中国で「群馬」を使用した場合、権利侵害で訴えられかねないという。原産地表示に限定されるが「群馬県産」は使える。
 また、中国では日本の農産物や日本製品の人気が高まっており、本県とは無関係の法人・個人が勝手に「群馬」ブランドを展開しかねない懸念もある。
 特許庁などは昨年末時点で「群馬」を含む二十府県・政令市の名称が登録されていることを確認した。リンゴや海産物の輸出県である青森、鹿児島両県などは異議申し立てを実施。「青森」は出願不許可が認められた。
 同庁などは今月中に無断出願への監視方法や、法的対策の手続きマニュアルを作成、自治体へ注意を促す方針。

編注:●は”馬の略字”