◎希少性前面
安価な外国産に市場を奪われるなか、碓氷製糸が本年度から本腰を入れているのは、国内産生糸の質の高さと希少性を前面に打ち出してアピールする戦略だ。
日本蚕糸絹業開発協同組合の群馬オリジナル蚕品種「新小石丸」の白生地づくりも狙いは同じで、高村さんも発足メンバーの一人として副理事長を務めている。
「外国産と差別化した、付加価値のある糸が作れるなら、復興も夢じゃない。この先2年間が最後の勝負になると思っている」
◇碓氷製糸農業共同組合
県内で唯一操業している器械製糸場。松井田町や同町内の3農協などが出資し合う協同組合形式で、1959年12月に設立。その後、3000人近い地元養蚕農家が出資に加わった。現在の組合員は985人。今年は非組合員も含め、全国約1300戸の養蚕農家から繭が出荷された。従業員は38人。年間の生糸生産量は54トンで、国内総生産量の7割以上を占めている。
◇碓氷製糸農業協同組合
国内蚕糸業に冬の時代が訪れている。外国産生糸に押され、国内の器械製糸場はわずか2社となった。その1つ、碓氷製糸の経営環境は極めて厳しい。そんな中でも、養蚕農家を守るため必死に踏ん張り、活路を見いだそうとしている。第三部では、国内蚕糸業の復興を目指す碓氷製糸の挑戦と、それを支援する人々を追う。 |