◎9割の補助
重伝建選定により、今後こうした事情は大きく変わる。建物外観の修復や強度を保つための工事には、国や県、村から最大九割の補助を受けられる。建物を維持する住民にとって、大きな助けになる。
木暮勝伸さん(62)の家は、明治維新前後に建てられた当初、かやぶき屋根だった。維持の負担が大きいことなどから、20年以上前に鉄板の屋根に改築した。重伝建で村の景観が見直されているのを受けて、「いつの日か、かやぶきに戻すのも悪くない」と夢を持つ。
関衛さん(80)宅の小さい蔵は、老朽化で壁が大きく崩れている。「そう長くはもたないと思っていた。改築の補助があれば、なくなる運命の建物も保存していけるかもしれない」と関さんは語る。
昔から変わらずに残る家や蔵、石垣。変わってしまったかやぶき屋根。それらをとらえる住民の気持ちが、大きく変わりつつある。 |