◎伝統と食
重伝建を推進してきた六合村の山本三男村長(58)も、「赤岩は町並みだけでなく、住民の暮らしぶりに価値がある」ととらえている。
赤岩地区はわずか52軒。そこに神社一つと仏堂5つが建ち、春と秋には祭りが開かれている。毎月18日の「観音様の日」には、点在する仏堂や馬頭観音像を参拝して回る人もいるほど、伝統行事が暮らしの中に生きている。
食文化も豊か。教室で作る「しみ豆腐」は、畑作を行う寒冷な山村ならではの料理だ。住民は町並みとともに、伝統行事や食文化もしっかりと受け継いでいる。
「残念だが、ほかの農村は急速に変わってしまっている。あと数年もすれば、赤岩の希少性や重要性は誰の目にも明らかになる」。山本村長はきっぱりと言い切る。
目に見える町並みだけではない赤岩地区の魅力。その「味わい」は年月とともに一層深まっていく。
(おわり)
連載は文化生活部・斉藤洋一が担当しました。 |