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ガイド講習会で紡績所の実地研修を行う受講生ら
ガイド講習会で紡績所の実地研修を行う受講生ら

「よみがえれ!新町紡績所の会」 ガイド養成を本格化 価値見直しへ活動正念場
掲載日・2007/01/07
 高崎市新町に現存する新町屑糸(くずいと)紡績所の保存・啓発活動を行っている「よみがえれ!新町紡績所の会」(片桐庸夫会長)が、紡績所の定期見学会実施に向け、ボランティアガイドの養成を本格的に開始した。同紡績所は本県の絹産業遺産群の世界遺産登録構想の候補地への推薦は見送られたが、同会は「これからが住民活動の正念場」と前向きに取り組んでいく方針だ。
 ボランティアガイドは紡績所の会の役員らを中心にすでに二十五人が登録し、そのうち数人が十月の見学会でガイドデビュー。現在は第二期として一般募集を行っている。
 同紡績所は操業中のカネボウフーズ新町工場敷地内にあるため、施設の開放日が限定される。定期見学会開催に向け、多くのガイドを養成していく考えだ。
 見学ルートはのこぎり屋根や特徴的なトラス構造、建設当時の姿を残す壁面などをめぐる一時間コース。マニュアル通りの紹介だけでなく、工場操業時のエピソードを語ることができるカネボウ新町工場の元従業員や、機械装置や紡績技術などに詳しいガイドの参加も期待している。
 しかし、十二月に募集した養成研修会は募集期間が短かったこともあり、受講者はわずか三人。紡績所の調査を行った国立科学博物館産業技術史資料情報センター主幹・清水慶一氏を招いた現地研修会を開いたが、同会は一月中にも再度受講希望者を募るという。
 一月選定予定の世界遺産の「暫定リスト」に富岡製糸場をはじめとする絹産業遺産群が入った場合、同紡績所を評価する機運が盛り上がるとみており、同会はガイド養成と合わせて紡績所のポスターを周辺地域に掲示する準備をしている。
 片桐会長は「純粋に『紡績所の価値を残したい』という住民の気持ちは、ある意味で世界遺産以上に価値のあるものだと思う。地道に広報活動を続け、多くの人に紡績所への関心を持ってもらいたい」と話している。

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