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旧官営富岡製糸場・西繭倉庫の前で世界遺産登録の暫定リスト入りを喜ぶちょうちん行列の市民=23日午後6時半ごろ
旧官営富岡製糸場・西繭倉庫の前で世界遺産登録の暫定リスト
入りを喜ぶちょうちん行列の市民=23日午後6時半ごろ

絹産業群が世界遺産暫定リスト入り決定
掲載日・2007/01/24
 文化庁は二十三日、世界遺産登録の国内候補地「暫定リスト(一覧表)」に、本県の絹遺産十カ所で構成する「富岡製糸場と絹産業遺産群 日本産業革命の原点」など四件を追加記載すると発表した。近代の産業遺産が同リストに記載されるのは初めて。同庁は「富岡製糸場と絹産業遺産群」について、「日本の近代化を表し、絹産業の発達面で世界的な意義を持つ。(世界遺産相当の)顕著な普遍的価値を持つ可能性が高い」としている。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会への申請を経て、正式に確定する。
 追加記載が決まったのは「富岡製糸場と絹産業遺産群」と、「富士山」(山梨、静岡県)「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」(奈良県)「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎県)の計四件。
 「富岡製糸場と絹産業遺産群」は旧官営富岡製糸場(富岡市)と薄根の大クワ(沼田市)荒船風穴(下仁田町)旧上野鉄道関連施設(同)栃窪風穴(中之条町)冨沢家住宅(同)高山社発祥の地(藤岡市)赤岩地区養蚕農家群(六合村)旧甘楽社小幡組倉庫(甘楽町)碓氷峠鉄道施設(安中市)の計十カ所で構成している。
 文化庁は「伝統的な生糸生産や近代の殖産興業を通じて文明開化の先駆けとなった絹産業の遺産群」と位置付け、「西欧の産業革命、近代化が『工場』という形で極東に伝わり、本格的かつ急速に発展した事例として重要」と解説した。
 世界遺産登録への今後の課題は、(1)蚕糸業が日本の近代化に果たした役割や富岡製糸場の位置付けを世界史的な観点で明確化する(2)絹紡績や絹織物、養蚕集落、桑畑などの遺産や隣接県の関連遺産と比較し、取り込む検討をする−などとした。
 文化庁は全国の自治体に対し事前に候補地を募集、計二十四件の提案を受け付けていた。同庁の世界文化遺産特別委員会がこの提案を審議し、追加記載物件を選定。同庁文化審議会文化財分科会が二十三日、この選定結果を了承した。
 数年かけて調査し、保護態勢を整えた上で、世界遺産登録の推薦書を作成、ユネスコの世界遺産委員会へ提出する。同委員会が認めれば、世界遺産に登録される。

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