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大勢の人が集まった旧安田銀行担保倉庫の見学会
大勢の人が集まった旧安田銀行担保倉庫の見学会

糸の町から世界遺産を 登録文化財「旧安田銀行担保倉庫」を見学会 前橋
掲載日・2007/03/22
 「糸の町」として栄えた前橋の歴史や近代化遺産に目を向けようと、前橋市住吉町の国登録有形文化財「旧安田銀行担保倉庫」(現前橋商品市場)の見学会が二十一日、同町二丁目自治会の主催で行われた。「わが町・前橋から世界遺産を」との呼び掛けに地域住民ら百二十人余りが参加。同倉庫の管理人、田中十九八(とくはち)さん(77)の案内で、かつて乾燥繭などの保管に使われ、“絹の記憶”が詰まったれんが造りの建物の内外を見学した。
 世界遺産の暫定リスト入りが決まった本県の「富岡製糸場と絹産業遺産群」十カ所に、かつて製糸工場が建ち並び、生糸生産の中心地であった前橋の物件は含まれていない。見学会は、世界遺産登録運動が活発になる中、歴史を伝える遺産の持つ価値をもう一度見つめ直してもらうことが目的で、参加者を限定せずに初めて行った。
 同倉庫は一九一三(大正二)年の建設で、幅約五十四メートル、奥行き約十一メートルの二階建て。乾燥した繭と生糸を保管する場所として、近年まで使われていた。現在は、骨董(こっとう)品や電化製品などの貸倉庫になっている。
 倉庫周辺は、大正から昭和にかけて、座繰りや器械製糸に取り組む個人宅、事業所が多くあり、糸の町の象徴的な場所。往時をしのばせる赤れんが造りの倉庫が市内から次々と姿を消していく中で、同倉庫は貴重な存在となっている。
 この日、田中さんは倉庫の歴史や建物の構造などを説明し、四五年八月の前橋大空襲で焼夷(しょうい)弾が着弾したにもかかわらず、戦禍を免れた歴史も紹介した。田中さんはこれまでも、希望者に倉庫の概要を話してきたが、「こんなに大勢の人が来るのは初めてで感激した。関心の高まりを感じる」と熱のこもった説明を繰り広げた。
 見学後、近くに住む五十代の女性は「内部を見るのは初めて。歴史を感じさせる建築で、大切にしていくべきだと思う」と、今後の保存・活用に期待を込めた。柴田金吉自治会長(71)は「この倉庫も世界遺産になる価値があると、みんなが思っている。地域の人たちなどから希望があれば、また見学会を開きたい」と話していた。

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