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近代化遺産を生かしたまちづくりについて意見を交わすパネリスト
近代化遺産を生かしたまちづくりについて意見を交わすパネリスト

近代化遺産活用を 彦部家住宅でフォーラム まちづくりへ「好機」 桐生
掲載日・2007/11/24
 桐生市広沢町の彦部家住宅で二十三日、「地域に根ざした文化財の保存と活用」をテーマに「まちおこしフォーラム」が開かれた。県世界遺産推進室の松浦利隆室長の基調講演、近代化遺産を生かしたまちづくりを考えるパネルディスカッションが行われた。

 松浦室長は文化財や世界遺産の歴史を紹介し、「世界遺産という考えが各地に広がる中で、最近は近現代、産業文化への関心が高まっている」と分析。「近代化遺産を生かせる時代になってきた。桐生にとって、今は文化財を使ったまちおこしのチャンスだ」と積極的な活用を呼び掛けた。
 パネルディスカッションでは、宝田恭之群馬大大学院工学研究科長、森寿作本一・本二まちづくりの会会長、宮地由高NPO法人わたらせライフサービス理事長、北川紘一郎桐生・世界遺産の会会長、江原毅桐生織工芸士会会長の五人がパネリストを務めた。
 森会長は重要伝統的建造物群保存地区への取り組みを振り返り「今後は民と官が一体となって市全体のまちづくりを進めたい」と意気込みを語った。ノコギリ屋根工場など近代化遺産の活用について、宮地理事長は「事業を仕掛けることで、採算をとりながら残すことができる」と提案。宝田研究科長は「重要なのは、誰がどう残すか。市民全体の盛り上がりが必要となる」と課題を指摘した。
 フォーラムは、同日から十二月二日までの「紅葉狩りウィーク」のオープニングイベントとして開催。文化庁の「NPO等による文化財建造物モデル事業」の一環で、最終日は彦部家の名前のルーツとされる岩手県紫波町彦部区の住民を招いて文化芸能交流会を開く。

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