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近代化産業遺産の認定を受けた旧新町屑糸紡績所
近代化産業遺産の認定を受けた旧新町屑糸紡績所

旧新町紡績所など17件 経産省認定 “絹”幅広く評価 近代化産業遺産
掲載日・2007/12/01
 経済産業省は三十日、日本の産業発展の歩みを三十三の「ストーリー(物語)」にまとめあげ、関連する工場など全国五百七十五件の建造物や記念物を「近代化産業遺産」に認定した。県内からは「製糸」や「織物」など四つの物語に、高崎市の旧官営新町屑(くず)糸紡績所など計十七件が入った。世界遺産暫定リスト「富岡製糸場と絹産業遺産群」に含まれていない建物も多く、幅広い絹の遺産に価値評価の光が当てられた。同省は今後、遺産が現役の産業や観光に活用されるよう支援していく。

 「製糸」の遺産に認定されたのは全国五十二件の建造物など。県内は同紡績所のほか安中市の旧碓氷社本社事務所、富岡市の旧官営富岡製糸場など六件。長野、埼玉など近県の旧製糸場や繭倉庫、蚕室なども挙がった。「富岡製糸場に移植された西洋の器械製糸技術が全国へ広まり、世界最大の生糸産出国となった」などとする物語を描いている。
 「織物」の遺産は桐生市を中心とする織物工場など全国十四件。同市内は合資会社後藤、織物参考館“紫(ゆかり)”など九件。「多様な織物を柔軟に生産し、衣料の大衆化の流れをつくった」と評価している。
 安中市の碓氷峠鉄道施設は、生糸輸送面で「製糸」、乗客輸送面で「観光産業」、建築材料面で「赤れんが」の三つの物語に選ばれた。
 遺産認定は、日本の各種産業が発展した歴史や、関連する人物を掘り起こし、現存する関連建物を使った地域活性化を促すのが狙い。同省は今後、雑誌を通じた遺産群の紹介、観光周遊コースの設定、ビジネスに活用する研究、ウェブサイトの創設などに取り組む方針。
 現役の織物工場であり、社会科見学を受け入れている合資会社後藤の後藤隆造社長は「見学者が織物技術だけではなく、建物の構造も見てくれるようになり、楽しみが増える」と歓迎している。

 【製 糸】
旧官営新町屑糸紡績所(高崎)
旧官営富岡製糸場(富岡)
旧甘楽社小幡組倉庫(甘楽)
群馬大学工学部同窓記念会館(桐生)
ベーカリーレンガ(旧金谷レース工業)(同
無鄰館(同)
桐生織物記念館と同館所蔵物(同)
碓氷峠鉄道施設(安中)※
旧碓氷社本社事務所(同)
高山社発祥の地・高山長五郎生家(藤岡)
 【織 物】
旧模範工場桐生撚糸合資会社事務所棟附倉庫(桐生市近代化遺産絹撚記念館)(同)
合資会社後藤(同)
織物参考館“紫”と同館所蔵品(同)
桐生森芳工場(同)
旧東洋紡織工場(同
 【赤れんが】
碓氷峠鉄道施設(安中)※
 【観光産業】
碓氷峠鉄道施設(安中)※
 ※は3分野重複の認定

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