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シルクカントリー群馬
Silkcountry Gunma21
シルクカントリー群馬イメージ
県内の養蚕農家数と集繭量
県内の養蚕農家数と集繭量

蚕糸絹業グループ化 新年度から農水省
     支援制度を大転換 国産ブランド確立の好機 不参加農家の継続困難
掲載日・2008/02/17
 国産絹製品のブランド化推進により自立可能な蚕糸絹業を構築するため、農水省は新年度から支援制度を大転換する。養蚕農家と製糸、織物業者らをグループ化する補助金制度を新設して生産から流通までの連携を強化、国産繭を使用した付加価値の高い絹製品づくりを後押しし、国産ブランドの確立を図る。一方、養蚕農家に支給していた補助金は三年後までに打ち切る方針で、グループ化に乗り遅れた農家は事実上養蚕を続けられなくなる。全国の約四割を占める本県養蚕農家にとっては、国産ブランド確立の好機となるが、厳しい競争にもさらされる。
 国産絹製品のブランド化推進により自立可能な蚕糸絹業を構築するため、農水省は新年度から支援制度を大転換する。養蚕農家と製糸、織物業者らをグループ化する補助金制度を新設して生産から流通までの連携を強化、国産繭を使用した付加価値の高い絹製品づくりを後押しし、国産ブランドの確立を図る。一方、養蚕農家に支給していた補助金は三年後までに打ち切る方針で、グループ化に乗り遅れた農家は事実上養蚕を続けられなくなる。全国の約四割を占める本県養蚕農家にとっては、国産ブランド確立の好機となるが、厳しい競争にもさらされる。
 農水省特産振興課は(1)国産繭を使っていることが明確になり、製品の価値が高まる(2)業界の川上から川下まで連携したものづくりにより品質が上がる―などの効果を見込んでいる。
 グループへの補助は三年間で打ち切りとなる。この間に各グループは国産ブランドを確立し、商品に付加価値を与え、経済的に自立することが求められる。養蚕農家に対して最長で三年間、従来の繭代補助を続ける猶予措置も設けている。
 これまでの制度では、農家が生産した繭一キロ当たりで受け取る約千五百円のうち、繭を購入する製糸業者が支払う代金は百円。残りの約千四百円は、国の補助金や外国産生糸を輸入する際に徴収する「調整金」が充てられていた。
 養蚕農家はこうした手厚い保護を受けてきたが、それでも収益を上げるのは難しく、農家戸数は減少の一途。五十年前のピーク時に県内だけで八万四千戸以上あったが、昨年は全国で千百六十四戸、県内は四百七十一戸に減少している。
 また、現在は外国産生糸を国内の織物業者が製品化した場合も「日本の絹」と表示することが認められている。このため絹製品に国産繭が使われているかどうかを、消費者が見分けることは難しかった。
 同省は養蚕から製糸、織物、小売りまでが連携する仕組みづくりを支援し、純国産絹製品の品質向上やブランド化を進めて業界の生き残りを図ることにした。
 県蚕糸園芸課は現在の手厚い補助金でも農家減少に歯止めがかからないことを指摘し、「新しい対策をせざるを得ない状況。新制度は品質の高い繭を作る農家や特徴的な商品を作る業者にとっては『国産』を差別化させるチャンスになり、規模は小さくても蚕糸絹業を持続させる態勢がつくれる」と期待しており、グループ化を積極的に支援する方針だ。

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