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提案された「ノコギリ屋根ハウス」
提案された「ノコギリ屋根ハウス」

「のこぎり屋根」活用を 省エネ特徴、住宅模型 市長に贈る 桐生高等技能専門校
掲載日・2008/03/11
 織物のまち桐生のシンボル・のこぎり屋根の特徴を生かした「ノコギリ屋根ハウス」を、桐生高等技能専門校(牧野敏雄校長)が制作、十日に五十分の一の実物模型を亀山豊文市長に贈った。市内の織物工場などでよく見られるのこぎり屋根は、屋根の段差や反射などを利用し、建物の北側からもやわらかい光を取り入れることが可能な“元祖エコハウス”。そのノウハウを生かし、太陽光を有効利用した省エネタイプのおしゃれな住宅として現代によみがえらせた。
 模型作りのきっかけは、桐生建築技能組合(深沢博組合長)の新年会が一月中旬に開かれ、来賓の亀山市長から市がのこぎり屋根工場を生かしたまちづくり進めていることを深沢組合長や牧野校長が知ったこと。これを受けて同専門校建築製図科の講師が先月下旬から設計に取り掛かり、一カ月余りで作り上げた。
 今回提案した建物は約百六十平方メートルの二階建てで、建築費用はおよそ二千万円を想定。のこぎり屋根を交互に組み合わせ、南北両サイドからも採光する案を採用するなど先人たちの知恵とエコが融合した試みとなっている。
 牧野校長、深沢組合長と桐生職業訓練協会の上村昇会長の三人から模型を贈られた亀山市長は「桐生発ののこぎり屋根ブランドとして活用したい」と意欲的。
 安定した光を屋内に取り入れることができるのこぎり屋根の工場は、かつては織物工場などに盛んに採用された。現在、市内には全国一の二百棟余りが残り、近代化遺産として注目されているが、二〇〇二年の二百六十八棟からは減少傾向にある。
 三人は「魅力ある住宅になると思う。桐生に若い人が住むきっかけにしたい。市営住宅にも活用できる」と話している。

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